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特定非営利活動法人北海道職人義塾大學校

〜職人の技を次世代に伝える〜

特定非営利活動法人北海道職人義塾大學校(北海道札幌市)
街づくり・観光・農業体験等の分野で地域活性化のための人づくり・仕組みづくりに取り組むもの
教育・人材育成



特徴・ポイント


・修学・研修旅行のリピーターの存在、旅行代理店への知名度が高くビジネスとしての自立度が高い
・職人の価値を見出し、職人に経済的な支援を提供すると同時に、仕事の認知度の向上、後継者発掘、教育機会への参加という複数の意義を与えた点
・異業種職人のネットワークと職人の意識変革のノウハウ

事業概要


職人による技能・知識の教育、訓練の場を提供する事業を運営。具体的には、職人塾の運営による職人子弟の育成、教育事業、と職人体験学習事業の実施を主に実施している。


契機


当初は、地域における零細の職人業を支援しようという問題意識から活動が始まっている。共同で販路を拡大するために職人展を開催しながら世の中への認知度を向上していった。当初は参加を疑問視していた職人も、顧客から面白いと言われる経験や実際に注文につながる経験を経て参加意欲を高め、参加人数を増やしてきた。
そのような職人展を中心とした活動をしていく中で、徐々に職人が抱えている種々の問題が明らかになってきた。その一つが「後継者問題」であった。
この問題意識を核とし、NPO法人北海道職人義塾大学校が出来上がった。
そのコンセプトは、「地域の技能を地域の子供に」というものであった。


修学旅行生をターゲットに


活動を開始するにあたり、ボランティアでは難しいという状況であったため、いくらかの謝金をもらうモデルとした。地元の小樽の学校は予算がなく難しいため、他の地域からくる修学旅行生をターゲットとしていった。現在はこれがメインの収益事業になっている。
収益上の工夫としては、値段は90分間1500円とした点である。他の観光事業者の体験コースは30分間で3000円クラスであり、安い設定とした。値段づけの際の工夫としては、どの職人・業種も統一料金にした点にある。これにより、申し込みの煩雑さをなくし、申し込む人への分かりやすさを実現した。また職人に対しては、1500円の価値に見合うものを提供するように依頼していった。
コミュニティビジネスとしては教育旅行にターゲットを絞ったが、他事業としては、キャリア教育のコーディネートで小樽の小学生に対する職業の紹介や仕事体験、中学生に対してはインターンシップの実施を行っている。中学生に自分で製品の企画もつくらせ、職人に提案させ、職人と工房で一定期間を過ごさせる。 職人には事前、事後の生徒のフォローもお願いして教育効果を確認している。
営業活動については、主に口コミで広がっていき、旅行会社にも有名になった。現在、年間約6000人、学校数で約100校へのサービス提供を行っている。

子供たちに職人の技を伝える


職人の技を効果的に伝えるには


参加する職人を増やすためには、まず、第一に職人の現場に足を運び、コンテンツを見つけることであった。現場で発見できることは多く、現場を回ることでコンテンツの母数を増やしてきた。これはというものを見つけると、「これ面白いよ、見せようよ」と職人に働きかけ参加を促した。他人に言われて気づくことが沢山あり、現場は技の宝庫だった。その気にさせるポイントとしては、職人の技を意識的に取り上げていく点にあった。例えば、仏壇作りの職人に仏壇を単純に作ってもらうのではなく、漆ぬり、金箔塗りなどの特定の技を取り上げ意識してもらうことで、職人も自信を持ち、見てもらうべきものや技が明確になった。
一方で、「見せる」ための職人への指導も行ってきた。特に、職人に対するコミュニケーションの指導は難しかったようである。調査をしたところ、経年でみると、喋りが上手い人が継続で受注できることが分かった。喋りの上手い人のポイントは、自分の仕事は何か、技は何か、どれくらいで技が身につくのかなどをきちんと子供に説明をしていることであった。更に、自分の技や仕事について、学校の勉強に絡めるなどきちんと教育的な意味をつけてあげることが出来ている人が人気もあり、指名を受けていることが分かった。そこで、コミュニケーションが苦手、不足をしている職人に対しては、それらの点をアドバイスしてあげることで、コミュニケーションの改善を図っていった。
このように職人の方へのアドバイスを行う一方で職人に対しても意識変革を迫っている。「作る」よりも「見せる」ことが仕事なので、職人たちには決して片手間でなく本業と同じように取り組んでほしいと働きかけている。もし、ついて来られない場合は辞めてほしいと伝える場面もあったとのことである。

今後の目標


今後は、職人になりたい若者を親方にマッチングさせたい、という後継者育成の紹介をもっと行いたいとの意欲をもっている。実際には、何人か弟子入りにトライしたが、なかなか難しいようであり、挫折とか、自立が出来ないなどの問題が起き、成功は難しいようである。そのようなこともあり、まず独自の起業家教育プログラムであるキッズベンチャー教室などで幼少時から職業や商売の面白さなどを伝えていきながら、体験授業などで底辺を広げてゆく取り組みが必要と考えている。


団体概要


団体名:特定非営利活動法人 北海道職人義塾大学校
    代表者 佐々木 徹
住 所:北海道小樽市

経済産業省発行「ソーシャルビジネス55選」引用