中国地域CB/SB推進協議会

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あやおり夢を咲かせる女性の会

〜美しく夢を咲かせ、人生を楽しむ〜

あやおり夢を咲かせる女性の会(岩手県遠野市)

街づくり・観光・農業体験等の分野で地域活性化のための人づくり・仕組みづくりに取り組むもの

地域活性化・まちづくり
教育・人材育成



特徴・ポイント


・女性の立場から、町づくりの夢を語り、積極的に提言・実践する意欲と技
・次世代に対する責任感と郷土(綾織)への愛に根ざした発想と行動
・行政や農協・農業関係者等、関係機関の幅広い巻き込みと連携


事業概要


次世代に残したい住み良い地域作りに取り組む。道の駅「遠野風の丘」に農家レストラン「夢咲き茶屋」を開店し、地元の多様な農産物を食材として、ふるさとの味を提供。また、綾織地区伝統の織物を今に伝える「夢咲きめん羊の会」、各地の鍋を囲んでトークする「岩手なべなべサミット」等、子供や他団体と一体となった楽しい活動も展開している。

きっかけは「田んぼの中のトイレ」から ― 夢を語り始めた女性たち


遠野市綾織地区の圃場(ほじょう)整備事業が始まるとき、「その事業で、なんとか田んぼに女性トイレを作って欲しい」と市の営農振興課に訴えた女性がいた。当時は、こういった事業は大方が男性主導で進められ、女性は全てが決まってから、『ああ、そういう事業なのか』と知るような時代だった。しかし、そのとき、振興課の係長は女性の訴えをもっともと考え、綾織地区の女性団体の長に、「女性の声を取りまとめてくれないか」と声をかけた。7人の長が集まり、平成6年、「あやおり夢を咲かせる女性の会」を発足させた。

トイレの予算が付くまでは毎月の定例会が活動の中心だった。女性の会では、市役所の農政課、土地改良、農協の所長、普及センターなど、ありとあらゆる農業関係の方々に定例会に入っていただき、分からない部分を質問したという。日本初となる田んぼの中のトイレが実現した。
「今後、この会をどうすればよいか」。トイレ、トイレで最初の数ヶ月が過ぎた頃、菊池さんは、会長として考え始めていた。生活していく上での身近な問題を皆で解決したらいいと漠然と思ってはいたが、女性の会は総勢28名にもなっていた。綾織町全域が元気になるために、1行政区から3名ずつ計21名。『あの人なら地域活動に参加してくれるだろう』という人を引っ張り上げてメンバーに加えていたのだ。そんなとき、思いついたのが若い頃学んだKJ法だった。さっそく菊池さんは、一人5枚ずつ小さな紙を配り、「何でもいい。夢でも悩みでも。一人5項目ずつ書いてください」とお願いした。

"夢を語る"、"綾織らしい環境作り"、"次の世代に今何を残して何を伝えていけるか"、"女性の生き方"。あやおり夢を咲かせる女性の会の4つの活動目標はこうやって決まった。


女性の会 ビジョン

"女性の技"を出し、"夢を咲かせる店"の実現 ― 夢咲き茶屋オープン


平成6年秋口、大きなチャンスが訪れた。道の駅が綾織に出来るという情報が入ってきたのだ。「なんとか、その事業に自分たちも入れないか」。道の駅のオープンは平成10年。事業を担当する市の係長に定例会に来ていただいた。ナヨさんたちは、女性の会の夢の話をした。「本当に店を持たせてくれるなら、職を辞めてそこに入る」。話し合いは深夜にまで及び、夜の12時過ぎに係長は帰っていった。

平成10年の道の駅オープンまでは、店の準備にかかりきりになった。"たとえ5坪でも凛とした女性の店"、"子供たちに残したい郷土食を中心としたメニュー"、"ガラス張りの経理"。店の方針が固まった。メニューは、そばとおにぎりと団子。団子は家庭によって作り方が違う。「次の定例会にはこれぞというものを作ってきてください」。各家庭の"女性の技"が50品集まった。試食して、作り方、味、形を表にまとめ、遠野伝統の「かねなり」「きりせんしょ」に決定した。夢咲き茶屋の売り場面積は5坪に満たない。主力商品の売価は70円〜300円。それでもオープン初年度の半年で1800万円を売り上げた。平成11年には店を企業組合化し、法人としての体制を整えた。
平成20年、女性の会は15周年を迎えた。茶屋で働く人は現在31名。3勤1休という勤務体系だ。「私達は農業で鍛えているのでどんな条件でもやってこられた。でも、これからの人のためには勤務環境を整えないといけない。だから洗浄機も入れた」、「ゴールデンウィークなどは目一杯頑張るが、その後にはご褒美として皆で楽しむ。着物を着て。一人では恥ずかしけれど、皆と一緒だとできる」。そう語る菊池会長はとても楽しげだ。
「農家にお嫁に来たら、黙々と働くのが良い嫁」という時代。思い切って夢を語り始めた女性たち。やってみなければわからない。今やらなかったら後で後悔する。「失敗して元々。今やらないでいつやる」と励ましあって15年。「あやおり」という名の響きそのままに、美しく夢を咲かせ、楽しく人生を紡ぎ続けている女性たちの物語である。


夢咲き茶屋

団体概要

団体名:あやおり夢を咲かせる女性の会 会長 菊池 ナヨ
住 所:岩手県遠野市
経済産業省発行「ソーシャルビジネス55選」引用