中国地域CB/SB推進協議会

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特定非営利活動法人くらし協同館なかよし

〜もはや「オールドタウン」となった
ニュータウンを元気にする事業〜

特定非営利活動法人くらし協同館なかよし(茨城県ひたちなか市)

街づくり・観光・農業体験等の分野で地域活性化のための人づくり・仕組みづくりに取り組むもの

地域活性化・まちづくり



特徴・ポイント


・事業を開始する前に、徹底したニーズ調査を行なう
・食料品の販売だけでなく、地域の住民が気楽に集まれる「たまり場」作りに注力
・「主婦だから」という甘えを許さず、プロとしての店舗運営を徹底

事業概要


昭和40年代に造成された一戸建て住宅団地。当時はニュータウンだったものが、今では高齢者中心のエリアになってしまった。人口の減少や購買力の低下によって、中心にあった生協も閉店してしまう。その空き店舗を中心に、地域の食を支え、生活の不安を払拭するための「たまり場」、くらし協同館なかよしが2005年よりオープンした。丸3年が経過したが、収支バランスは毎年順調に推移している。

まずは徹底したニーズの調査から


閉店が決まった生協。地域の方で何か取り組みをしていただけるのであれば貸しますと言われたときに、生協の運営委員長をしていた塚越さんとその仲間が立ち上がった。しかし、地域には仕入れや販売などまったく経験のない主婦ばかり。素人がそのような事業を展開するのは危険だという反対意見が渦巻く中で、まずは、どのようなニーズがあるのかをアンケートで調査しようと提案した。

そのアンケートの結果は切実なものだった。特に高齢者からは、近場で食料品を購入できないと死活問題であるとの声がたくさん寄せられた。また、積極的な要望も数多く出てきた。「喫茶など気軽にいられる『たまり場』をつくってほしい」、「趣味の活動ができる場や高齢者向けの講習会などもあれば、もっと元気が出てくる」など前向きな提案も寄せられた。このような声に勇気付けられ、やるべきだと塚越さんたちは強く決意した。
アンケートの結果を後ろ盾にしながら、何度も地域で会議を重ね、ついに事業への取り組みが決定した。ただし、最初から大きなことをやるのではなく、主婦が集まってできることから取り組んでいこうという現実的な視点も忘れることはなかった。


みんなが生きがいをもって元気に暮らせるまちづくり

どうすれば人が来てくれるのか


しかし、開店はしたものの、NPO法人ということに対して、地域住民からは「いったい何をやっているところなのか?」というような警戒感や抵抗感を持たれてしまい、客足は伸びなかった。そこで考えたのが、伝統行事に関するイベントの開催だった。地域には高齢者が多く、高齢であればあるほど伝統行事に詳しいはずだ。そのような人達に来てもらって、例えば七草粥や節分、ひなまつりなど子供達を交えてみんなで楽しむイベントを開いた。そこに、少しずつ人が集まり始めた。商品を売るためだけの活動ではなく、まずは地域の人達に来てもらい、とにかく中に入ってもらうことだけに焦点を当てた取り組みが功を奏し始めた。

奥さんを亡くしたおじいさんが来て、スタッフと家族のように話をして帰る。育児に悩む女性が毎日のように子供を抱いて訪れ、子育て経験のあるお年寄りからアドバイスをもらう。おばあちゃんが孫を連れてきているときに、小学生グループが来て、孫と一緒に大はしゃぎで遊ぶ。だんだんとそういう雰囲気ができてきて、地域での交流の場として、皆が使い始めるようになってきた。今では、コンサートや寄席などの大きなイベントから、生活に密着した講座まで、多くの種類の活動をとり行っている。


「主婦だから」という甘えは許さない


食料品という生活に密着した商品を扱う限り、甘えは許されない。在庫管理を徹底し、毎日在庫状況を納入者に伝え、返品などの迷惑がかからないようにすることや、レジや経理についても、生協時代に経験のある人に入ってもらいながら、教えてもらうことで、プロとして通用するレベルへと高めていった。

どうしても、ボランティアの間では、「主婦だからそこまではできないのでは・・・。」という思いがあり、甘くなりがちなので、ここはかなり厳しく徹底したと、塚越さんは言う。ただし、この厳しさをトップダウンでやると、どうしても押し付けられた感じを持たれてしまうので、チーム会の中で議論してもらい、自主的に「こうしよう」という意見が出てくるようにした。その結果、マニュアルを作ることが提案され、より確実な店舗運営のためのマニュアルができてきているそうだ。
このような高齢化が進んだ街は、日本の中で、ますます増加してくるだろう。その対応事例がほとんどない中で、先進的に取り組んだ「くらし協同館なかよし」の活動は、大きなヒントになるのではないだろうか

今後の目標


今後は、職人になりたい若者を親方にマッチングさせたい、という後継者育成の紹介をもっと行いたいとの意欲をもっている。実際には、何人か弟子入りにトライしたが、なかなか難しいようであり、挫折とか、自立が出来ないなどの問題が起き、成功は難しいようである。そのようなこともあり、まず独自の起業家教育プログラムであるキッズベンチャー教室などで幼少時から職業や商売の面白さなどを伝えていきながら、体験授業などで底辺を広げてゆく取り組みが必要と考えている。


買い物風景

「事業者からのメッセージ

地域住民の要望を受け、試行錯誤の末オープンした当館は4年目に入った。野菜や食品を納入する生産者や事業者、それを利用する市民、各種の行事や講座に参加する人、指導する人、そして働くボランティア、多くの人々の知恵と力でますます活動が広がっている。 「近くで買い物ができて助かる」「気兼ねなくこられてホッとするところ」「みんなが明るく、優しくしてくれて心の支えだ」「なかよしでお友達ができた」「近くでいろいろ習えてうれしい」「ゆっくりできて子連れママにはありがたい」「毎日食事に来るのが楽しみ」「年をとって働けるのはうれしい」。 3周年に利用者から寄せられた一言メッセージを忘れず、みんなが生き生きと輝くコミュニティを目指し活動します。




団体概要


団体名:特定非営利活動法人 くらし協同館なかよし  代表者 塚越 教子
住 所:茨城県ひたちなか市


経済産業省発行「ソーシャルビジネス55選」引用