中国地域CB/SB推進協議会

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さんぽく生業の里企業組合

〜来て見て食べて体験、
山熊田の生業が生み出す「商品」〜

さんぽく生業の里企業組合(新潟県村上市)

街づくり・観光・農業体験等の分野で地域活性化のための人づくり・仕組みづくりに取り組むもの

地域産業振興


特徴・ポイント

・特色ある地域資源(食、生業)の活用
・地域住民・産業団体・行政の協力関係、一体感
・集落や町への経済的、心理的波及効果

事業概要

国の伝統的工芸品「羽越しな布」の製造販売、季節と地域の産物にこだわった郷土食の提供、赤カブ漬けやアク笹巻きなどの体験受け入れなど、地域固有の資源を活かした取り組みを実践している。


自分達の手で地域のために何かをやってみたい

平成10年フランスとの国際交流での「しな織り」の実演披露後、地域の女性たちが「自分達も自分達の手で地域のために何かをやってみたい」と言ってきた。私はそういうことが起こるのを心待ちにしていたとさんぽく生業の里企業組合総支配人の國井千寿子さんは言う。遡ること十余年、昭和60年の地域ビジョンの策定や翌年の村おこし事業など、旧山北町の地域づくりに携わってきたのが山北町商工会事務局長(当時)の國井さんだった。
地域ビジョンは、産業団体、行政、婦人会、青年団の方々に委員になっていただき、皆さんの意見を聞きながら手作りで作っていった。それが後々、地域と産業団体、行政が心を一つに方向性を合わせていく素地になったと國井さんは言う。村おこし事業では「しな布」を取り上げた。1年単位の補助事業が終わった後も、「いずれ国の伝統的工芸品の指定を受けるところまで行こう」という大きな目標を立て、東京で開催される伝統的工芸品の展示会に毎年のように出展し、細々とではあったが商品開発に取り組んでいた。
そういった中で起こってきた女性たちの声。國井さんは、間髪を入れず集落全体と行政に集まってもらった。22軒72名(現在71名)の小さな集落だ。全体を対象にして話を進めていかないと、村の中で段差ができたり、村全体の和が崩れたりする。「とにかく、全て行政に頼ったり、どこかに他力本願だったりではだめ。自分達でやらなきゃ」。5軒が100万円ずつ出すという事になった。

地域固有の資源を活かし、「素材」から「商品」へ

集落の中にあった空き家を土地と共に譲り受けた。改装費は2600万円。集まった500万円ではとても足りない。商工会の理事会に話を持っていったところ、商工会が出した地域ビジョンから生まれた動きということで550万円が集まった。國井さんは「お金は出しても口は出さないでね」と頼んだ。18名の賛同者から1050万円の出資金が集まり、平成12年10月、さんぽく生業の里企業組合が設立された。しかし、まだ足りない。県のグリーン・ツーリズム促進事業から補助金約1200万円をいただけることになった。町にもお願いして約250万円出していただいた。什器備品の費用は国民金融公庫(当時)から借りた。平成12年12月、活動拠点となる「体験工房」開館。
さんぽく生業の里の中心事業は「しな布」の製造・販売。しな布作りには大変な時間と手間がかかるが、それに相応しい、素晴らしい風合いの布が出来上がる。2005年に「羽越しな布」として国の伝統的工芸品にも指定された。「全国伝統的工芸品センターや百貨店等で開催される伝統的工芸品や古代織のイベントに出展しているので、しな布の風合いを見ていただきたい」と國井さんは言う。
「しな布の他に何をする?」。そこへ、「山菜を食べたい」というお客様からの問合せがあった。皆の中には元々、「おいしいものがあるのに。。。(「商品」になっていない)」という思いがあった。アク笹巻きだってある。「それをしよう」ということでチラシを作って新聞折り込みにした。町内からも注文があっててんてこ舞だった。皆、作るのは上手だが、事務管理的なところはまだまだ。初めての接客業は試行錯誤の1年だった。次は焼畑の赤カブ。観光協会が1日100人位をターゲットに無添加の赤カブ漬けの体験受け入れをしていた。「館ができたんだから、これをやろう」「1日20人を5回やれば100人になる」。秋に始めたら結構好評で20人が25人になったりした。役場でやっていたベースがあった上に、新潟日報に無料掲載していただいたことも功を奏した。

目下の悩みは後継者。日々の事業は組合員が核となり、集落の方々の協力も仰ぎつつ運営している。しかし、地域づくりには、行政や産業団体と方向性を合わせ、マスコミとも協力しながら組織を動かす経営的な視点が必要だ。きちんとした給料を支払えば外部からも人を得られる。「そのためにも内部体制をきちんとし、しな布の販売で安定した利益を確保していかなければならない」と國井さんは考えている。


しな績みの様子

灰の文化を活かした商品例



団体概要

団体名:さんぽく生業の里企業組合 代表者 大滝 冨男
住 所:新潟県村上市

経済産業省発行「ソーシャルビジネス55選」引用