中国地域CB/SB推進協議会

株式会社御祓川

〜民間まちづくり会社と
NPOによる七尾のまちづくり〜

株式会社御祓川(石川県七尾市)

街づくり・観光・農業体験等の分野で地域活性化のための人づくり・仕組みづくりに取り組むもの

地域活性化・まちづくり


特徴・ポイント

・マリンシティ運動20年で培った経験・人脈(特に地元の有力経済人)
・練り上げられたビジョンを実現するためのコーディネート力(特に行政との連携)
・地域(商店街、地域の大人・子供)を一体化する巻き込み力

事業概要

(株)御祓川の事業内容は大きく3つ。一番目は「御祓川の浄化」。浄化研究会を作り、県、市、大学・高校の先生の繋ぎ役となった。二番目は「川沿いの賑わい創出」。直営店を運営。これが株式会社としての収入の柱となっている。三番目が「コミュニティ再生」。川への祈り実行委員会等のNPOの事務局を担当。まちづくりを担う人材育成も行っている。


きちんと事業をして収益を挙げる。民間まちづくり会社の誕生

まちづくりに携わる父親達の姿を見て育った現代表の森山さんは地元の都市計画会社に在籍し、七尾のTMO構想を立てる担当になった。三セクで会社もできたが補助金の受け皿的な色彩が強く、積極的な事業計画に踏み込めないというジレンマがあった。森山さんは父親やまちづくりに関係している人たちに「まつり文化をベースとした、あかり文化、かおり文化、かざり文化が感じられるまちづくりをしたい。具体的に表現できる事業を起こさないとだめだ」とこぼした。
七尾のまちには20年に及ぶ市民によるまちづくり(マリンシティ運動)の歴史があった。自己責任でやる時期にきている。腹を括り、TMOと連携できる民間のまちづくり会社を作ろうということになった。民間だけで5000万、金も口も出し、真剣にやる人たちが8名集まった。設立は99年6月。出資したいという申し出があり、設立2ヵ月後に資本は6800万円になった。最初の事業構想からキャッシュフローの計画まで半年。民間だから決断が速い。森山さんは都市計画の会社に籍を置きながら(株)御祓川のチーフマネジャーを兼務することになった。


(株)卸祓川ビジョン

(株)御祓川の公共性の象徴が御祓川の再生。産官学の繋ぎ役となる

インキュベーター施設整備事業を使い、TMOが事業主体となって川沿いの寄り合い処「御祓館」を作ることからスタートした。(株)御祓川は御祓館の管理運営にあたるという事業スキームだ。設立時の総合プロデューサーをお願いした出島二郎氏の紹介で、笹原司朗氏(長浜の(株)黒壁)に「港からまちの中に賑わいを作っていく」という構想を話したところ、「この汚い川はなんや。その市民意識が信じられん」と言われた。(株)御祓川の社名の基となり、公共性の象徴となる「御祓川の浄化」はそうやって始めることとなった。
御祓川は二級河川なので直接的な工事はできないが、浄化を早める活動は民間から起こすことができる。水質浄化技術を持つ企業に手紙を送り、石川県の産業創出支援機構の支援を受けて浄化技術ワークショップを開催し、県に提案。市の環境課の方に環境事業団の助成金の存在を教えてもらい、獲得した。御祓川浄化研究会を立上げ、県、市、大学・高校の先生に入っていただき、子供たちを巻き込んで川の浄化実験を行った。現在は、「川への祈り実行委員会」というNPOと連携し、川に入る前の水を浄化して川に流している。浄化装置で育つクレソンで作るクレソンケーキが1リング(1200円)売れるごとに100円がファンドに入る仕組みにした。それで浄化ポンプの電気代と川掃除のゴミ袋代を賄っている。
「川沿いの賑わい創出」事業として、当初取組んだギャラリーの運営は2年目にして1000万円の赤字。閉店の瀬戸際まで追い込まれた。しかし、まちづくり会社として直営店を閉めるとなると町全体へのダメージが計り知れない。再度、有志による「追い銭」をして、起死回生の飲食店経営に乗り出した。能登独特の調味料いしりを使った料理を出す店だ。最初の味のベースは取締役の妹さんが作ってくれた。厳しい舌を持つ人が育つ文化が七尾にあるので、料理人ではなく地元のおばちゃんたちを雇ってもきちんとした味を作ることができた。そんなお店があるということで七尾のまちの力=文化が上がる。

「コミュニティ再生」は、川と市民の関係を取り戻すための親水イベントや川づくりNPOの支援を通して、市民意識の高揚を目指そうとする取り組みだ。(株)御祓川は「川への祈り実行委員会」等のNPOの事務局を担当している。
(株)御祓川は、3つの事業によって「きれいな川の水」「川沿いの賑わい」「川を思う市民」の循環を作り、ヒトとミセとマチの関係を深めることを目指している。「私達は、まちの文化・資産を活用して商売をさせていただいている。そこで儲けたものをまた、まちに投資する」と森山さんは言う。それが民間まちづくり会社(株)御祓川のスタイルなのだ。


泰平橋と店

事業者からのメッセージ

川が汚くなった本当の理由は、私たちと川の関係が薄れてしまったから。もう一度、川と寄りを戻しながら、川沿いのまちづくりを進めていきます。水の浄化だけではなく、ヒト・ミセ・マチの関係を再生させることが、本当の御祓川再生です。

団体概要

団体名:株式会社 御祓川 代表取締役 森山奈美
住 所:石川県七尾市
HPアドレス http://ishiri.com http://misogigawa.com

経済産業省発行「ソーシャルビジネス55選」引用