中国地域CB/SB推進協議会

株式会社盤水社

〜子供たちの健全な職業観を育成し、
人材立県に寄与〜

株式会社盤水社(石川県金沢市)

街づくり・観光・農業体験等の分野で地域活性化のための人づくり・仕組みづくりに取り組むもの

教育・人材育成


特徴・ポイント

・中高生向け地域密着型キャリア教育支援マガジンというコンセプトの革新性
・子供たちに健全な職業観を持たせ、地域での自己実現の道を拓くという信念
・わかりやすく、親しまれ、読み物や教材として自由な使われ方を想定した編集方針

事業概要

学校配布型キャリア教育支援マガジン「さくらノート」の編集・発行が事業の中核。「さくらノート」は地元企業でいきいきと働く様々な職業の大人を紹介している。現在、石川県内の9割以上の中学・高校に無料配布され、進路指導や総合学習のテキストとして生徒、家族、先生方に読まれている。キャリア教育に関するセミナーの企画・運営も行う。


さくらノート

大人の働く姿を、読み物を通して子供たちに伝えたい

バブル期の超売り手市場から、就職氷河期、リストラ時代と、若者の就職環境は大きく変化してきたが、進路選択に関して言うならば、進学優先の考え方は従来から変わっていないと中山さんは言う。その結果、職業観もないまま、自分が何をやりたいのかもわからずに、企業イメージやブランド優先で就職先を選ぶ学生たちを見てきて、こういう就職をしていたらやばいことになると思っていたら、案の定、「第二新卒」「フリーター」と言われる若者が増えてきた。
18歳人口は92年がピークで205万人。今は130万人。07年の新生児は110万人。少子化はすごい勢いで進んでいる。さらに大学全入時代となり、石川県は県外に出る率が半分を超え、将来の地域経済を担う人的資源がどんどん失われていく。ここにチャンスがあると中山さんは思った。子供たちの健全な職業観を育成すること。ことに中高の6年間は大変貴重。この期間に地元の情報を送らずしていつ送るのか。これはキャリア教育にも繋がると中山さんは思った。
さらに実生活での経験が起業への思いを加速させた。小学校に入学した子供が教科書と一緒に防犯ベルをもらってきた。学校からたくさんの不審者情報がメール配信される。保育園に通う下の子は、警察の人が来て、不審者から逃げる練習をしたという。そういった現状を見せ付けられ、子供たちに大人はどう映っているのかが気になった。本来、大人は尊敬され、憧れられるような目標でなければならない。大人の働く姿を、読み物を通して子供たちに伝えたいと思った。

学校配布。誰もが不可能と言ったが、自分の目と足で確認した

フリーペーパーという形で子供たちが気軽に読めるものにしようと考えた。口で説明しても伝わらないと思い、見本誌をつくることから始めた。
1行の文字数、フォントの大きさ、写真、デザインなど、対象となる中高生にはどんなスタイルが読みやすいのか試行錯誤した。文章もテレビの職業紹介番組などを見て自分で作り、その他に先生や親も興味を持つような工夫を考えたりしながら、雛形となる一冊の見本誌を作った。
コンビ二や駅にラックをたてても中高生は読まない。学校に置いてもらうのが一番いい。いろんな方に相談したが、実績と信頼のある大手企業でも学校に入り込むのは難しいと言われた。しかしそれはあくまでも周りの意見。自分と同じような考え方で「キャリア教育と道徳教育で学校を変える」という実践教育をされている先生をネットで知り、会って話をさせていただいた。「心配いらない。今、学校が必要としているのはまさにこれだ」と賛同していただいた。この先生に紹介された学校の校長先生に見本誌を持って行くと、どの先生も「これはいいね」とおっしゃる。充分学校は受け入れてくれるという感触を得た。
次はスポンサー集め。石川県のPTA役員をされている企業経営者を中心に見本誌を持って営業に回った。創刊号の制作にあたり、10数社から賛同が得られ、費用はほとんど持ち出しだったが2万部作った。金沢市と周辺の市町村で中高生は約4万人。その半分。校長先生方には関心を持っていただけたが、実際に生徒に配ってもらえるかはわからない。だめなら在庫の山だ。しかし、それは杞憂に終わった。ほとんどの学校が生徒全員分欲しいという。途中から2学年分にして下さいとお願いしなければならなかった程だった。
「大手資本に参入されたら?」という問いに、中山さんは「どんどん参入してきて欲しい」と言う。しかし、「さくらノート」は「働く人がどういう価値観、職業観を持っているのかを伝える媒体」。そこに思いを込められるかがカギ。加えて、極めて地域密着性が強い。地域を知り、地域の経営者に信頼されなければ拡がらない。本当に思いのある人間でなければ作れないのだ。
今後数年で北陸3県を足掛かりに全国へ「さくらノート」を展開したいと中山さんは言う。地域密着型なので中山さん一人ではできない。思いを共有できる相手を見極め、連携する。各地域でやる「郷土愛的キャリア教育」が重要だと中山さんは考えている。


さくらノートのビジネススキーム

団体概要

団体名:株式会社 盤水社 創業者・現代表 中山貴之
住 所:石川県金沢市
HPアドレス http://www.sakuranote.jp

経済産業省発行「ソーシャルビジネス55選」引用