中国地域CB/SB推進協議会

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特定非営利活動法人えがおつなげて

〜大企業もこぞって参加する開墾事業
限界集落は資源の山〜

特定非営利活動法人えがおつなげて(山梨県北杜市)

街づくり・観光・農業体験等の分野で地域活性化のための人づくり・仕組みづくりに取り組むもの

地域活性化・まちづくり


特徴・ポイント

・そこにある「資源」の発掘
・「欲しい」と思っている人と、その「資源」を効果的につなぐマーケティング
・楽しみながら活動を続ける

事業概要

いわゆる限界集落となってしまった町の中には、実は「遊休農地」という、都会の人々にとって垂涎の資源が大量に眠っていた。そこに目をつけ、遊休農地の開墾活動を行なう「農村ボランティア」を募ったところ、学生やフリーターだけでなく、大企業からも社員を研修で送り込みたいという要望が。今では88名ものスタッフやボランテイアメンバーを抱え、関東ツーリズム大学も間もなく本格的に開校予定。

使える資源を使いたい人に

もともとは東京で経営コンサルタントをしていた曽根原さん。13年前に山梨県に移り住んだ。そのきっかけは、「資源」の重要性が高まるだろうとの予測のもと、資源と直接的に関わる第一次産業をもう一度確立したいという思いからだった。
その中で、まず注目したのが薪という資源だった。近所の林業者を手伝っている中で、見えてきたのが、実は林産資源のうち半分くらいが山に残されていることだった。つまり、規格外の木である。これをストーブ用の薪として販売してはどうかということを思いついたのだった。すぐに近隣を調べて見た。そうすると、八ヶ岳周辺には別荘や、リタイアして移り住んでいる人の家には薪ストーブが多くあり、しかも薪の調達に困っていることが分かった。さっそく、煙突がある家に、片っ端からフリーペーパーを入れ、薪の販売を宣伝した。結果、飛ぶように薪が売れていった。
このように、普通の人が資源とは考えないものを見つけ出すだけでなく、その資源を欲しいと思っている人はどこにいるのかを考え、その両方をつなぐことが成功の鍵だと曽根原さんは言う。

何もないところにこそ資源が眠っている

その後、リサイクルによる薪ストーブの開発や、無農薬野菜の直売、農村ボランティアなどの事業を展開していった曽根原さん。次に目をつけたのが「遊休農地」だった。地元の人達にとっては単なる空き地だったとしても、都会に住み、農業にあこがれる人達にとっては、まさにパラダイス。そこで農業ができるだけではなく、自分達で荒地を開墾し、作物を栽培、収穫できることは夢のようなことだ。そうやって開墾された農地は、既に4ha。みんなが楽しみながら、ボランティアでどんどんと開墾してくれ、そこで栽培された無農薬野菜を販売し収益をあげる。まさに一石二鳥の取り組みである。
農村にはモノ(土地や森林などの資源)はあるけれど人がいない。都会には農業をやりたい人はたくさんいるけれど、それができる場所とノウハウがない。ここをしっかりとつないでいったことが、えがおつなげての最大の成功要因だと曽根原さんは言う。今では、この開墾体験ツアーに、丸の内の有名大企業までもが、研修として社員を送り込んでくる。これは、「限界集落体験ツアー」というものを企画したところ、その会社のCSR部門の人が参加したことがきっかけとなったそうだ。


企業参加の開墾体験ツアー

人を育てないと事業は成功しない

このように事業を順調に成功させてきた曽根原さんも、頭を悩ませているところはある。それが人の育成だ。都会の人達は、農業をやりたいと思っていても、稲刈りすらやったことがない。そのような人にとっては、本格的な農業など、かなり敷居の高いものだ。そこで、農業活動を敷居の低いものから段階に分け、その人の知識やスキルに応じて、入りやすいところから取り組み始めてもらうようにした。活動に参加する人をただ集めるだけでなく、どうすればその活動に入りやすく、定着しやすいかも考えていることが、さらに事業を大きくさせる鍵となっている。
このような人材の育成が高じて、「関東ツーリズム大学」を開き、既に2008年からオープンキャンパス期間として、首都圏で、農村地域社会づくりの人材育成に取り組み始めている。これによって、ますます農村と都市の交流ネットワークを拡大させることを目指している。
ここまで事業を拡大していくうえでのご苦労を聞くと、「苦労したという意識はまったくない。どちらかというと楽しいという思いしかなかった。」との答えが返ってきた。このような楽しさを基本とした取り組みも、成功のひとつの秘訣かも知れない。


団体概要

団体名:NPO法人 えがおつなげて  代表者 曽根原 久司
住 所:山梨県北杜市
HPアドレス http://www.npo-egao.net/

経済産業省発行「ソーシャルビジネス55選」引用