中国地域CB/SB推進協議会

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株式会社コミュニティタクシー

〜全てはお客様の「ありがとう」のために〜

株式会社コミュニティタクシー(岐阜県多治見市)

街づくり・観光・農業体験等の分野で地域活性化のための人づくり・仕組みづくりに取り組むもの

交通


特徴・ポイント

・「お金だけじゃない。皆に喜ばれることをやろう」「利潤追求のみに傾倒せず、社会貢献を本業とする新しい価値観の株式会社を創る」という使命感
・手作りのサービスマニュアルとドライバーのサービス意識の高さ
・コミタクの理念に共感し、「自分達のタクシー」と思ってくださる多数の株主の存在

事業概要

タクシーを中心とした旅客運送を事業の中核とする。便利屋サービスも行っている。「タクシーで皆の足に、便利屋で皆の手に」を合言葉に生活支援企業を目指す。また、地域の他のタクシー会社と共同で介護専門タクシー会社を設立し、地域の問題を本業で解決する取組を地域に広げている。

お金だけじゃない。皆に喜ばれることをやろうよ

生き残りをかけてトラック運送事業者の仲間内で新規事業構築の勉強会をしていた頃、多摩ニュータウンで高齢者向け便利屋サービスをしている経営者のお話を聞き、感銘を受けた。どうせやるなら人様にありがとうと言ってもらえる仕事をしようと協同組合にしていた勉強会の仲間と共に便利屋サービスを立ち上げた。平成14年飲酒運転の罰則強化を受けて、居酒屋の店主からお客様の送迎をして欲しいという依頼があったこともあり、「タクシーで皆の足に、便利屋で皆の手に」を合言葉に、「お金儲けじゃない。皆に喜ばれることをやろう」と合意形成した。


本業で地域の問題を解決する株式会社があってもいい

タクシー会社は協同組合の中の5名で設立した。自ら手を挙げ社長になった。利用者のために利用者が作るタクシーということで、「市民タクシー構想」をぶち上げた。「多少の受け狙いもあった」と岩村さんは言うが、着想はユニークだ。一口5万円の出資を皆から集める。配当は出ない。「リターンは期待しないでください。その代わり地域に貢献しますよ」と友人、知人に声をかけた。「お金じゃないタクシー会社を作る」と言ったら人に笑われると思っていたが、スムーズに受け入れてもらえた。株主40人。資本金1000万円が集まった。たまに「何で株式会社なの?」と聞かれる。NPOやボランティアでは旅客運送業の営業許可が取れないのだ。しかし、ちょうど良かった。株主により多くの利益を還元し、勝って勝って勝ち続けるという価値観ではなく、本業で地域の問題を解決する株式会社があってもいいだろうと思った。


開業は03年6月1日。想定外だったのは、営業許可が下りず、2ヶ月分の人件費が丸々出てしまったこと。6月末には資金ショート。1000万円の借り入れで急場を凌いだ。一方で予約の電話は鳴りっ放し。何とかしてお客さんに応えたいという気持ちがあった。増資を決意。平成15年9月、開業直後に資金ショートしている会社に1500万円が集まった。小口株主になっていたスナック、居酒屋の店主の皆さんが自分の会社という意識を持ってくださっていた。
そして、「ドライバーがやってくれたサービスの質が本当に高かった」と岩村さんは言う。採用面接では、「この人って、思いやりがあるのか。人様の役にたつのか」ということだけを見ていた。外部講師の先生をお呼びしてサービスマニュアルを作り、ケーススタディーを繰り返した。「タクシーは自動ドアだけどドライバーが自分で開けた方が喜んでもらえるよね」、「じゃあ開けよう」。「雨が降ったらご自宅の軒下まで傘を差してお送りしよう」、「ゴルフ傘というのがあって...」、「それ採用」という感じで訓練を積み重ねたのだ。


(株)コミュニティタクシーのコミュニティビジネス


心をこめたサービス

売上1割落ちるより、お客さんが喜ぶ方を取る

夜のお客様と比べ、昼間のお客様にはなかなかご乗車いただけなかった。高齢者の方々だ。好転のキッカケは「シニアカード」。登録してご提示いただくと運賃が1割引きになる。他社もやっているが売上が1割落ちるのを嫌い、余り力を入れていない。我々は売上1割よりもお客様が喜んでくださる方を取った。おじいちゃんが申込書を5枚も6枚も持って、「持って来たぞ」と言ってくれた。多治見市の人口は約11万。70歳以上は推計12000人程度だが、その中の4000人にシニアカードにご登録いただいている。
同業の皆さんにも青臭いことを言い続けた。この度、多治見の4社と隣接地域の3社で介護タクシーの専門会社を設立することになった。介護タクシーは赤字を抱える分野だが地域のためにはやらないといけない。「コミタクを見て可能性はあると思っていただいた」と岩村社長は言う。
まだまだ経営的に安泰とは言えない。「普通の会社なら潰してしまえと言われかねない会社だが、私は自信がある」と岩村社長は言い切る。


事業者からのメッセージ

私は26歳から経営者という立場で仕事をし、商売の浮沈みを経験しました。急成長した会社が倒産の危機に直面した時、それまでの人生観や価値観がガラリと変わりました。お金があれば何でもできる、お金があれば幸せになれる、右を見ても左を見ても、お金お金・・・しかし、つまるところ、人は他人との関係の中でしか幸せを実感することはできません。「働くとは傍を楽にすることなり」・・・誰かを喜ばせることが、すなわち自分の喜びとなるという原理原則を忘れず、私は少し歪んでしまった世の中を自らの手で変えたいという、大それた夢を持ちました。儲けた結果で社会貢献をするのではなく、社会貢献を本業とする株式会社を創る!これこそ世の中を良い方向へ変える原動力となることと信じ、日々挑戦しています。


団体概要

団体名:株式会社コミュニティタクシー 代表取締役 岩村 龍一
住 所:岐阜県多治見市
HPアドレス http://www.comitaku.com


経済産業省発行「ソーシャルビジネス55選」引用