中国地域CB/SB推進協議会

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農業法人株式会社秋津野

〜農家も商売人も参画し、
人材育成しながら地域をつくる〜

農業法人株式会社秋津野(和歌山県田辺市)

街づくり・観光・農業体験等の分野で地域活性化のための人づくり・仕組みづくりに取り組むもの

地域活性化・まちづくり


特徴・ポイント

・脈々と受け継がれる地域づくりへの熱い思いと長期プラン構想力
・政・官・学とのネットワークとマスコミを活用した情報発信
・ベースとなる組織(愛郷会、秋津野塾)の団結力、地域外応援団の存在

事業概要

『秋津野ガルテンの運営』の運営管理を行う。農業の振興、及び、都市と農村との交流を含む地域の活性化を目的とした事業の企画実施を行う。同時に秋津野の地域づくりをになう人材の発掘・育成にも取り組む。


秋津野ガルテン 事業内容

マスタープランを作り、その時々の課題を見極め、ベクトルを合わせる

秋津野は地域への熱い思いが流れている土地柄。平成8年、地域24団体を網羅する秋津野塾の取組みが「豊かな地域づくり」の天皇杯を受賞。さらに地域づくりに対する熱意が高まっていた。その一方で、混住化が進み、地域文化の継承、後継者問題を含む農業の将来への不安、地域の合意形成等の環境変化もあり、将来にわたる地域づくりのプランを作る時期に来ていると感じられ始めていた。秋津野は昭和31年の上秋津村と近隣の合併の昔から、その時々の課題を見極め、きっちりと積み上げながら地域づくりに取り組んできた歴史がある。平成12〜14年、300万円をかけ、10年、20年先を見据えた地域のマスタープラン作りに取り組んだ。

一人ひとりの思いを繋ぐコーディネーターの存在

マスタープラン着手の1年前、当時地区の公民館長だった玉井さん(現蟒津野副社長)は、地域のコーディネーター役として、地産地消、食の安全、お年寄りの生きがいの場作りに取り組んでいた。地域に直売所があれば地域の情報を発信できる。農家は一人ひとりが経営者。それぞれが思いを持っている。それを繋ぎ、情報発信し、お金や経営等の管理に目を配るコーディネーター役が必要だと玉井さんは言う。
31名が10万円ずつ出し合って作った直売所は「きてら」と名づけられた。1年目トントン。2年目から「ふるさと発信」を仕掛けていった。この時の玉井さんの役割は「宣伝」。普通直売所は行政が委託するか、JAが経営する。「ぼくらは皆でお金を出している地域づくりの会社。マスコミを活用してアピールした」と玉井さんは振り返る。公民館長として地方新聞やTV局にはコネクションを持っていたのだ。もう一つの役割は「農家の素晴らしい人をいかに光らすか」。先進の農家のアイディアを皆の議論に上げていく。「自分達がこのときやっていたことはまさにソーシャルビジネスの原型」と玉井さんは言う。その後、きてらには再投資をして、新店舗建設、株式会社化と一つ一つ進化させていった。きてらの08年12月の売上は2300万円。第一次産業をしながら、地域が潤う仕組が出来てきた。

ガルテン構想。地域の文化財と第一次産業をどうやって活用するか

小学校移転計画を機に、マスタープランの「都市と農村の交流」を実践する時がやってきた。地域の文化財(小学校の古校舎)と農業をどうやって活用し、「交流」を創出するか。平成15年から検討委員会をスタートさせた。行政、先進地域メンバー、大学等から40名を集め、1年かけて校舎の活用方法を検討し、行政に提案した。農のある宿舎『秋津野ガルテン』構想である。「大きな取組を前進させるためには、視点をちょっと変えて住民サイドで考えてみるとよい」と玉井さんは言う。
地域作りはいろんな問題を抱えながら進んでいく。最も大変だったのは地域の合意形成だった。全所帯に事業計画書を配り、説明会できちっと説明する。事業の目的を明確に示していくことが大事と玉井さんは言う。
ガルテンの運営会社は、農業だけでなく、大勢の応援団を入れるために株式会社方式にした。ガルテンに関わる農業、商業、工業の人に応援団になってもらい、連携する。外からの出資者は約190人。きてらや秋津野塾のネットワークで、「一口乗らんか。助けてよ」とお願いした。ガルテンは平成15年の検討会から平成19年の運営会社立ち上げまで足掛け5年、事業開始は施設部分が平成20年11月。その間に3回止めようかという感じだったという。「でも、私たちは積み重ね方式でやってきた。方向性は間違っていないという自信があった」と玉井さんは振り返る。
今、事業計画を立て直し中。しかし、止まることは決してない。将来に繋がるものを作っていく必要があるからだ。田舎で若い人たちが仕事を持てるように。玉井さんは言う。「これがこれからの秋津野の地域づくり。農家も商売人も参画してお互いに協力し合っていく。人材育成と並行させながら」


秋津野ガルテンの風景


団体概要

団体名:農業法人 株式会社 秋津野 代表取締役社長 楠本 健治
住 所:和歌山県田辺市
HPアドレス http://agarten.jp/

経済産業省発行「ソーシャルビジネス55選」引用