中国地域CB/SB推進協議会

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株式会社いろどり

〜葉っぱを商品に
 高齢者が生き生きと働く町〜

株式会社いろどり(徳島県勝浦郡上勝町)

街づくり・観光・農業体験等の分野で地域活性化のための人づくり・仕組みづくりに取り組むもの

地域産業振興


特徴・ポイント

・一人一人の能力・意欲を引き出す仕組みづくり(「面白さ」と「競う」ことの両立)
・絶え間ない日々の意識づけ・動機づけ
・現地現物主義による固定観念の打破

事業概要

高齢者を中心とした農家が、葉っぱや草花を料亭やホテル・旅館で使われる料理の「つまもの」として出荷する事業。高齢者に使いやすいパソコンの開発、個人売上を公表し競争心が沸く仕掛けなど農協職員が仕掛人となり、徳島県上勝町で86年に始まった。現在では、194軒の農家が、年商2億6千万円を売上げ、全国シェアの8割を占めるなど市場の信頼も厚く、強い競争力のある町の主力産業となっているとともに、町で寝たきりの老人は2人しかおらずUIターン者も増加するなど、売上以上の経済効果を生んでいる。


彩事業の概要

「葉っぱ」が商品になるまで

農協職員の横石氏(現副社長)が、料理に添えて季節感を演出する草や木である「つまもの」に着目し、「葉っぱ」を商品にすることを思いつく。おりしも上勝町のミカンが寒波による大打撃を受けている中、新しい農産物を探しているところだった。葉っぱであれば、軽いので高齢者にも扱える上に、収穫サイクルが短いので農家の資金繰りの緩和もできる、さらに綺麗であるという要素を備えた「葉っぱ」に希望をかけた。大半の人が失敗するという中、また実際当初はなかなか売れなかったが、「つまもの」とはそもそもどういうものであるかという研究を料亭に赴き調べ上げ、市場で取引されるためには形をそろえて綺麗にパッキングする必要がある等々学習を進め、徐々に市場規模を拡大していった。初めてのことを実現する上で様々な障害にあったが、常に現場に赴き、現地で確認し、考えるという姿勢が大きな成果に繋がったと言える。

仕組みづくり

いち早くPOS(販売時点管理)システムを導入し、需要と供給のバランスを確認したり、商品にバーコードをつけて出荷情報を管理し、販売データを分析して市場動向をつかんだ上で、農家にもパソコンを設置し必要な情報を伝えることで出荷調整を自らやってもらう形にした。農家の高齢者がパソコンを使うのか?そういった疑問に対しても「見て意味がある、農家にとって毎日見たくなる情報」を流すことで見ざるを得ない状況を作り出し、さらに農家の微妙なライバル意識を刺激するために一人一人の金額と順位が見られるようになっている。
高齢者でも扱いやすいフルカスタマイズしたパソコン。電源ボタンを押せば自動的に目的ページが開き、さらにマウスの使用はやめて特注のトラックボールを使用。毎日見たくなるための工夫として、毎日商品を出荷した市場、それぞれの市場に出した量、売れ行きと単価、翌日の目標数量、市況の状況を配信した。これにより自分の出した商品がどのような売れ行きであり、売上がその日いくらになり、さらに明日以降どういった商品を出していけば高く売れそうかということを考えるきっかけとなる。単純に単価が高いところに皆が出荷しすぎると値崩れする可能性もあり、ある種の賭け事のような「読み」の世界の面白さがおばあちゃん達にも好評だ。
こういったハードでの巻込む仕組みとあわせて、ソフト面の仕組みも欠かせない。売上が落ちてきた農家にはすぐ電話をし、「最近どないしたん?具合わるいんか?」という様な形で個別にケアをしたり、その一方で、ほぼ毎日配信するFAXで「目標まであとX万円!」という形で発破をかけたり、独自の市況予想をしたりすることで、「僕はこう市況を読むが、皆はどう考える?」といった形で日々刺激を促している。


パソコンを駆使して

納税する高齢者のいる町

高齢者にもかかわらず「おばあちゃん」たちはとても元気だ。自分達がお金を稼ぐようになって、納税し、介護や寝たきりとは無縁の生活を送っている。「寝ている暇がない。」そういうおばあちゃん達は、日々目標とそれを達成することで感じる生きがいを持って生き生きと働いている。「マスコミに取り上げられることよりも、何かの賞を受賞するよりも、おばあちゃん一人一人の笑顔が見られることが本当に嬉しい。」そういった取組みを今も続け、町に活気を生み出し続けている。

団体概要

団体名:株式会社 いろどり 代表者 笠松 和市
住 所:徳島県勝浦郡
HPアドレス http://www.irodori.co.jp/

経済産業省発行「ソーシャルビジネス55選」引用