中国地域CB/SB推進協議会

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特定非営利活動法人札幌チャレンジド

〜パソコンを通じ、障害者自立支援を行う〜

特定非営利活動法人札幌チャレンジド(北海道札幌市)

子育て支援・高齢者対策等の地域住民の抱える課題に取り組むもの

障害者や高齢者、ホームレス自立支援



特徴・ポイント

・障害者のためのパソコン教室から就労支援まで一貫したサービスを提供し、就業率も高い
・企業や行政にアイデアを伝え実現を図るなどの能動的な姿勢が強い
・着実な組織づくり、守るべきルールの導入、仕組み化など一般事業会社と比べても組織運営能力が高い

事業概要

自立を目指す障害を持つ方に対し、パソコン技術の習得、社会参加支援、就労支援を行っている。札幌市から受託している「障がい者ITサポートセンター」事業に加え、就労支援事業所としての活動も近年開始している。

原点

薬害エイズの被害者に対する支援を行っていたが、社会に出ていくことができない被害者の現状を何とかしたいと考えていた。そのようなときに、「パソコンで障害者も納税者に」というメッセージあふれる書籍に出会い、その著者に連絡しその活動に触れた。
パソコンを使うことで指先一本動けば仕事ができることを知り、パソコンは障害者の社会参加にあたって大きな武器になると思った。北海道にまだそのような団体がないのであれば、自分たちで立ち上げようと決意した。

どのような団体をつくるのか徹底的に議論

団体設立当初は、障害者のためのパソコン講習会を開催することから始めた。大学のパソコン教室を借り、講師をお願いするなどして講習会を開始した。
当初は任意団体であったが、NPO法人格を取得するべきかどうか徹底した議論を行い、1年後にNPO法人格を取得した。その結果、行政の事業を受託できることとなり、活動が大きく広がった。
また核となる運営委員がやりたいこと、やらなければならないと感じる事業を次々に実現することで、活動の幅が広がることとなった。たとえば、手足を動かすことができず呼吸器をつけているため会話によるコミュニケーションができない人たちは、パソコンを使うことで生活の質が高まる。そうした支援をしている団体がないのであれば、自分たちが手をあげるしかないと思った。


札幌チャレンジドの仕組み

組織づくりにこだわる

パソコン講習を始めるにあたり、まずは講師のスキルを充実させ、その後、助成金を活用してパソコンをそろえるなどハード面の充実を図ってきた。助成金を申請する際には、次にやるべきこと、やりたいことを明確にし、そのために資金を得るという方針を持って応募している。
当初は公共の会場を借りるなどして講習会場を確保していたが、講習会の回数が増えるにつれてこのような方法には限界を感じるようになっていた。常設の講習会場を持つことは、設立時からの悲願であったが、3年目にして活動に理解を示していただいた企業から常設の会場を借りることとなった。ステップを踏み、組織の目指す方向を明らかにしながら、基盤を強化している。
また、組織運営にも工夫をこらしてきた。一つは、「いいだしっぺ」の法則。言い出した人が始めるということが自然に原則となってきている。ただ「提案する」だけではなく、最後まで責任をもって行動することが暗黙の了解となってきた。
さらに議論することを徹底してきた。耳を傾け、自分の意見を述べ、お互いを尊敬し、自分とは違う考え方があることを理解する。その結果、議論をすることの楽しさ、大切さを皆が理解し、信頼関係が生まれた。

活動に問題があった際には、敏感に対応をしている。例えば、組織が大きくなるにつれて、コミュニケーションが不足するなど組織内に綻びがでてきていた。こうしたことに気づいた場合は危機感を持ち、対処をしている。ある時には、講師間が繋がっていないことが判明したため、講師会議をつくり、会議に参加をすることで自分(講師)たちこそが運営の主体者であることを確認することができた。
組織の表面的な現象を敏感に察知するだけでなく、その背後にある問題を把握し、根本部分での対処を図ることなども特筆できる点であろう。


就業の風景

事業を仕掛ける

パソコン講習会から、行政の受託事業、就労支援活動に活動を拡大していった。
ひとつの例をあげれば、札幌という地理的な特性からコールセンターが多いことに着目し、札幌市に働きかけを行い、委託事業を提案している。その結果、コールセンター、札幌市、自社の三社間ネットワークを構築することにより、障害者の就労を実現している。
地域の特性や事業機会に着目し、具体的な提案を行政に行っている。また、業界の関係者を巻き込み、ネットワーク化することで「仕組み」化を図っている点も特徴的である。
企業に対しては、連携やタイアップできる事業を模索し提案して実現している。また毎月1500部の会報を発行するなどの積み重ねが認知度を向上させている。会報誌には、「チャレンジする人」「ボランティアする人」などのコーナーがあり、寄稿をすることで親しみを感じてもらえるような工夫をしている。
業績面としては、2006年に初の単年度赤字となったものの、2007年度には、就労支援事業の拡大などを通じ、黒字化を達成している。

団体概要

団体名:特定非営利活動法人札幌チャレンジド  代表者 杉山 逸子
住 所:北海道札幌市
HPアドレス http://www.s-challenged.jp/

経済産業省発行「ソーシャルビジネス55選」引用