中国地域CB/SB推進協議会

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社会福祉法人はらから福祉会

〜障害者が自立できる給与の支払いを目指して〜

社会福祉法人はらから福祉会(宮城県柴田郡柴田町)

子育て支援・高齢者対策等の地域住民の抱える課題に取り組むもの

障害者や高齢者、ホームレス自立支援


特徴・ポイント

・商品自体で勝負ができるおいしい豆腐の開発
・全国の施設を支援しながら収益をあげる体制の確立
・ネットワークを活用した新たな商品開発への取り組み

事業概要

知的障害者通所授産施設「蔵王すずしろ」を立ち上げ、定員40名にて豆腐や豆乳を製造販売。そのほかの施設もあわせると、法人全体で4億1千万円(H19年度)の売上となる。豆乳を使ったパスタソース(レトルト)やドレッシングなどにも、高い商品開発力を持って取り組んでいる。また、全国の施設に豆乳を提供し、各施設で豆腐の製造販売に取り組むことを支援する「豆腐工房」事業も展開している。


「障害者が作った豆腐だから買ってくれる」のではなく「おいしい豆腐だから買ってくれる」ということを目指して、福祉施設ではなく「豆腐屋」であることにこだわり続けた「はらから福祉会」。その品質への思いは相当強いものだ。材料はすべて国産品を使い、産地や
種類にもこだわる。大きさも普通の豆腐の2倍。製造工程で前日からの大豆の水漬けも、翌朝の大豆の状態を一定にするために、冬にはお湯を加え、夏には氷を入れて調整し、にがりの入れ方も失敗を重ねながら徐々に安定させていった。これも商品の味だけで勝負できる豆腐をつくりたいとの思いからだった。その苦労の甲斐があって、生協を中心とした販売網で、熱烈なリピーターを持つ商品となっている。
このように製造が難しい豆腐に取り組み始めたのは、たまたま仲間に豆腐屋がいたからだと言う。そこの豆腐が大変おいしく、また豆腐は定期的に食べるものなので、リピート性があると考えたからだ。しかし、マニュアルを作り、その通りにやっても、いつもできばえは変わってしまう。その難しさが、かえって面白いそうだ。扱うものが食べ物であるだけに、衛生に関する教育も徹底し、作業工程表の中で危険なところは、障害者ではなく、すべて職員がチェックを行なう体制を作っている。また、障害の状況に応じて、一日の作業内容に見通しを持ってもらうことや、より難しい作業に取り組んでもらうことを方針とし、合わせて工賃時給額のアップを図っている。


催事でのとうふ販売風景


はらから福祉会の取り組みは、豆腐の製造販売だけにとどまらない。「きょうされん」という約1900の作業所、施設が加盟する組織と共同で、全国の施設に「自分達が作った豆乳を仕入れて、豆腐を作り販売しませんか」と声をかけている。既に40ヶ所くらいの施設が手をあげ、実際に豆腐を販売し始めている。これが豆腐工房という事業だ。各施設が豆腐の販売によって利益を上げ、障害者の自立を促進できるだけでなく、自分達にとっても大きな収益源となっている。
もともとはスーパーを中心とした拡販を考えていたそうだが、スーパーで販売するには、一定量以上の豆腐を常に製造し提供できる体制が必要だ。そうでなければ、配送費用ばかりがかかって、かえって赤字になる。このジレンマを解決するために思いついたのが、この豆乳の提供事業だ。


はらから福祉会では、豆腐や豆乳だけでなく、それらに関連した新たな商品の開発にも積極的だ。既に会員が1200〜1300名くらいいて、その中にはいろいろな商売をやっている人がいる。また、法人の取り組み、商品なども通して、地域の事業所とつながり、タイアップして新たな商品を開発していく。例えば、醤油製造会社の人がいて、そことの連携でドレッシングを作る。製粉業者と組んで豆乳デザートを開発する、レトルト製造会社にアドバイスをもらってレトルト商品を開発するなどだ。今は、地元の酒造メーカーと相談して、お酒も販売しようという話がでてきているそうだ。
このような商品開発で、最大のコンセプトは「10人いたら10人が買ってくれる商品ではなく、1人2人が買ってくれる商品を開発しよう」ということだ。10人ともが買ってくれる商品を開発しても、それは1個あたりの利益が低いものになってしまい大企業に負けてし
まう。そうではなく、価格が高くても、美味しいもの、安全なものを求める人が買ってくれるものを作り、確実にその人に届くようにすることが、事業を安定させる最大のコツのようだ。
今では、豆腐工房に関するセミナーをやるなど、自分達の活動方法を広めることにも取り組んでいる。豆腐工房が50ヶ所になる日も、そう遠くないだろう。

団体概要

団体名:社会福祉法人 はらから福祉会 代表者  武田 元
住 所:宮城県柴田郡柴田町
HPアドレス http://www.harakara.jp/

経済産業省発行「ソーシャルビジネス55選」引用