中国地域CB/SB推進協議会

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特定非営利活動法人ハートフル

〜ひとりひとりに最良の福祉を提供する〜

特定非営利活動法人ハートフル(群馬県高崎市)

子育て支援・高齢者対策等の地域住民の抱える課題に取り組むもの

保健・医療・福祉


特徴・ポイント

・徹底して「よいサービス」を提供していくことでの口コミの活用
・「よいサービス」を提供できるスタッフの確保
・配食の仕入先を工夫することでコストを安価に

事業概要

保温容器に入れた温かい食事を、その人に合わせた量、やわらかさ、大きさにして配食するサービスをコアにしながら、家事支援などのたすけあい事業、高齢者・障害者支援事業、イベントなど幅広く展開。ついに、職員にボーナスを支給できるようになるまで事業が拡大。

ヘルパー経験で突き当たった現実の壁

在宅ホームヘルパーとしての活動を続けていた櫻井さん。やっているうちに、いろいろな現実に突き当たり始めた。冷たく冷めた宅配のご飯、散歩につれて行ってもらえない犬、周囲の人には大きな問題でなくても、介護を必要とする人達にとっては深刻な悩み。そのような問題を毎日のように感じていたあるとき、ずっと介護していた患者に看取ってほしいと言われたのに、在宅ヘルパーであるため病院に行けず、その患者さんに「あなたには立ち会えないが、必ず、立ち会えるようになるための事業を始める」と強く約束した。これがハートフルを立ち上げたきっかけだ。
立ち上げてはみたものの、お金もない場所もない。最初は近所の人の納屋を借りて、そこを事務所にしながら、県庁で花を売って資金の足しにしていた。それでも、最初の熱い思いを忘れることはなかった。とにかく温かい宅配ご飯を提供したいと考え、ランチジャーに入れた食事を、まずは縁のあった一軒に持っていくことから取り組みを始めた。それが「おいしい」と評判になり、初年度で12、3軒まで増えていった。
ただ、食事を届けるだけでなく、顧客とじっくり話をする中で、それぞれの人の好みを聞き出し、それに合わせた食事をつくり宅配していった。それらの食事は、もともと料理が得意だった、櫻井さんのお母さんが手作りで準備したものだ。

ホームヘルパー養成講座で収益を確保

その後、配食事業だけでなく、いろいろなニーズを聞くうちに、掃除や送迎、お墓参りなどの支援事業も展開していった。しかし、それでも事業はなかなか安定しない。介護保険の場合、入金されるのは2ヶ月後。この2ヶ月間の資金繰りには、特に悩まされた。ときには職員の人達に給与支払いを待ってもらうことも。そんな中で、収益安定のため、ホームヘルパー養成講座を始めた。職員が講師として話をすることで、職員自身のレベルアップにもつながるだけでなく、その講座を受講した人達がハートフルに参加し始め、人材の確保にもつながっていった。
今は、制度内容が大きく変わったことと、講師を担当しながら実際の介護活動をすることの負担が高まったので、一旦、養成講座は終了しているが、単なる「熱い思い」だけでなく、収益を確保する活動を怠らなかったことが、今も、ハートフルの活動が継続し拡大している大きな要因だった。
また、コストを低減させるための活動も行なっている。農家と直接契約することで、配食の原材料を安くするのは当たり前。活動を終了させるという介護事業者がいるということを聞きつけると、そこにお願いして、今まで使っていた自動車を買い付けてくることで、すでに介護用に改造されている自動車を安く手に入れるなど、あらゆるアイデアを駆使している。


ハートフルの事務所前で

最高のサービスを提供できる人材がいれば自然に事業は拡大する

櫻井さんに、事業成功の秘訣を聞くと、「それは人材です。」と明快な答えが返ってきた。よい人材がいて、よいサービスを提供していけば、自然と事業は拡大していくということだ。たとえば、ある顧客が「風呂に入りたい」と言い出した。普通に考えると、とても風呂に入れない障害を抱えていた人なのだが、何とかして入らせてあげたいとスタッフみんなが思い、そのためのイスを作って入浴させた。その顧客は入浴できたことを大変喜んでくれて、次は歩きたいと言い始める。それで、また歩けるようになるための手伝いに取りかかる。このように、ひとりひとりに最高のサービスを提供しようとするスタッフがいるかぎり、必ずそれが評判を呼び、次の顧客開拓へとつながっていく。ハートフルの職員は、みんなそのことを信じて活動に取り組んでいる。
手作りで温かくおいしい食事を届けてくれるということから、口コミだけで広まったハートフルの活動は、既に、配食事業として70食となり、昨年からは市の委託事業になっている。今まで大手の企業だけだったところに、初めてNPOとして入ることができた。
もともと料亭だったところも来春には、提供可能な話があり、そこでは100食以上をつくることも可能になる。

団体概要

団体名:特定非営利活動法人ハートフル  代表者 櫻井 宏子
住 所:群馬県高崎市

経済産業省発行「ソーシャルビジネス55選」引用