中国地域CB/SB推進協議会

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有限会社 ねば塾

〜障がい者の自信と誇りが生み出す
全国ブランドの石鹸〜

有限会社 ねば塾(長野県佐久市)

子育て支援・高齢者対策等の地域住民の抱える課題に取り組むもの

障害者や高齢者、ホームレス自立支援


特徴・ポイント

・大手石鹸メーカーとの明確な差別化(手作り感、無添加、ユニークなネーミング)
・障がい者の個性を活かした石鹸製造
・自信と誇りの再生に焦点をあてた育成方針

事業概要

「なるせのせおと」「白雪の詩」といったユニークな150種類以上に渡る無添加の石鹸の製造・販売。ほぼ全ての製造工程を障がい者が手がける。また「まぜたらせっけん」などの石鹸製造グッズの販売と、障がい者のためのグループホームの運営。総売上は2億円に達する。


地域生活障害者の就労場所としてのねば塾

障がい者が「根」をはる「場」所=ねば塾の原点

普通の子供が親に甘えるように障がい者の子供達は甘えることができない。自分は迷惑をかけている、わがままを言ってはいけない、そういったことを自然とわかってしまっている子供達を見て、氏は、知的障がい者のための支援施設を仲間達と設立する。しかし「先生、もう施設嫌だから帰りたい」という言葉を聞く。恵まれた施設の中ではなく、主体性を持って生きがいを持つためには施設での施しでなく、社会で働くということが必要なのではないか。そういった思いから、障がい者の方々が社会に「根」をはる「場」所として、ねば塾の設立に至る。

大手石鹸メーカーとの差別化:手作り感にこだわったユニークな石鹸

1981年ねば塾の障がい者2名が建設土木会社の職を得る。さらに1983年、県から3万坪の公園清掃工事を受注し、安全な職場を確保する。しかし、冬場に仕事がなくなってしまう上にねば塾への入塾希望者が県外からも殺到してきた。そこで石鹸製造を始める。障がい者が安定継続して働くためには生活に密着したものであることが必須条件であると考えた末の石鹸であった。さらに当時琵琶湖汚染の問題で石鹸が注目されていた上に笠原氏が化学が得意であったこともあり、廃油を利用した無添加の安全・安心というコンセプトを創る。最初の3年は在庫と借金の山であった。しかし、転機が訪れる。ねば塾の活動を知った石鹸製造の職人が指導にきてくれる。そのつながりを活用し顧客を紹介してもらう。また紹介で大手の石鹸会社にも見学に行く。ねば塾は大手にとって競合ではない、そういった状況を利用して情報を収集し、大手が受注しない小口ロットの注文も貰えるようになっていく。石鹸製造の機械も他社から譲り受ける(昭和28年製)。ねば塾らしい石鹸とは何かのイメージもこの当時掴めてきた。障がい者が持つ素朴さ、純粋さそういったものを形にできないだろうかと。大手の機械化の進行度合いを見て、逆に大半の工程に人が携わる手作りの良さを活かせないか。昭和28年製のアナログ機械がそれを可能にした。知的障がい者の人々はデジタル化された機械は使えないことが多いが、アナログであれば、習熟することができる。そういった取組みを継続する中で、徐々に石鹸が売れ始める。1991年には、口コミだけで売上が4000万に達し、県外からの注文が全体の80%を占めるようになる。更に、1993年には石鹸の製造原理を活用した「まぜたらせっけん」を発売する。一晩置くだけで廃油が石鹸になる手軽さと、原理の面白さから国内の消費者団体、学校、さらには海外からも注文が殺到する。さらに受注増を受けて、当時下請け作業が減っていた他の共同作業所にも仕事を発注し貢献した。石鹸のネーミングも工夫した。石鹸と言えば、「〜石鹸」という名前がほとんどだが、氏は、「白雪の詩」「なるせのせおと」「かおりの想い出」といった形でネーミングし、散文をパッケージに入れるといったユニークな取組みをはじめる。なんともいえない手作り感と、ネーミングによって全国展開の大手雑貨店のバイヤーも着目し、店頭に並ぶようになる。90年代後半のインターネットの黎明期においても個人のホームページや掲示板で口コミで広がっていった。障がい者が作ったものを買ってもらうのではなく、いいものを買ったらそれが障がい者が作ったものだったということを実現。現在石鹸の種類は150種類以上、売上は2億円に達し、受注増に供給側が対応できない状況である。


石鹸包装の様子

自信と誇りの再生:今日できることは明日やろう、失敗は他人のせい

ねば塾の塾訓である。障がい者は小さい頃から健常者と比較され、怒られてきた子供達が多い。そういった状況では自信や誇りは育たない。ねば塾では、彼らが自信と誇りを持って働けるように、最初から仕事ができることは求めない。20年ぐらいかけて育つ子もいるという前提で、気長にのんびりと働くことを楽しんでもらう。例えば自閉症の子供の場合、最初の二年ぐらいは外に飛び出して行ったのを追いかける・・ということで時間が過ぎる。しかし、石鹸を並べさせたらとても几帳面にきれいに並べるということがわかった。他の子は並べるのが下手でこれまで石鹸の数を算定するのが大変だったが、今、彼は大事な戦力としてねば塾に貢献している。



団体概要

団体名:有限会社 ねば塾 代表者 笠原 慎一
住 所:長野県佐久市
HPアドレス http://www.neba.co.jp/

経済産業省発行「ソーシャルビジネス55選」引用