中国地域CB/SB推進協議会

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特定非営利活動法人愛伝舎

〜電話通訳で外国人も日本人も
ハッピーなまちづくり〜

特定非営利活動法人愛伝舎(三重県鈴鹿市)

子育て支援・高齢者対策等の地域住民の抱える課題に取り組むもの

国際交流・国際協力


特徴・ポイント

・本格的な通訳サービスは高コストであるため、安価な携帯電話によるサービスを展開
・ゴミだしの考え方や騒音問題など、日本で暮らす方法についてのガイダンスも実施
・通訳を通じて得た、外国人を取り巻く生の問題情報を行政に提供

事業概要

外国人、特にブラジル人の出稼ぎ労働者が多い鈴鹿市において、携帯電話のスピーカーフォンを使った通訳サービスを展開。保健所や県営住宅など、通訳が必要な場所に通訳がいないことで起こる問題の解決に取り組む。また、外国人への住宅ガイダンス(日本での生活の仕方講座)などの活動を行なうことで、外国人と日本人の両者が安心して共存できるまちづくりを目指している。


実際に通訳が活用されている場面の例

通訳さえあれば解決できる問題が数多くある

お互いに言葉が通じないが故に、単純なことでも複雑な問題に発展してしまう。父親の仕事がなくなったとたん、日本のセーフティネットにのらず、家族ともども深刻な状況に陥ってしまう。そのようなケースが外国人集住地域では後を絶たない。そんな中、「通訳が必要な場所に、確実に通訳サービスを」というコンセプトから、携帯電話による通訳サービスが始まった。日本語がよく分からない外国人が来たとき、愛伝舎に携帯で電話をかけると、すぐその場で通訳をしてくれる。これを耳に当てて行なうのではなく、スピーカーフォン機能で行なえば、その場にいる外国人、日本人みんなが通訳を聞きながら理解し合えるのである。

このアイデアを思いついた坂本さんたちは、早速、県でNPOの協働事業に応募した。
県営住宅に住んでいる人達の通訳サービスを提案したのだが、それが採択された。まずは県の事業としてできるようになったことが、この活動を安定してスタートさせられることにつながった。また、新聞に出た記事を見て、保健所から「是非、このサービスを使いたい」と声がかかってきた。まさに、多くの人が待ち望んでいたサービスだったのだ。

地域の日本人にとっての意味

この通訳サービスは、外国人にとって助かるというだけではない。地域の日本人にとっても大きな意味がある。例えば県営住宅では、今まで、言葉の壁から家賃の滞納に対応できていなかった。そこに通訳が入れば、簡単に対応ができるようになる。外国人と共存しながら街を維持することにつながるのだ。
このような目的から、通訳サービスだけでなく、住宅のガイダンスも行なうようになった。外国人のゴミだしのマナーや騒音は、地域住民の悩みの種であった。しかし、これは単純に、日本でのゴミだしの方法を知らないということで起こっているだけの側面もある。それを誰も伝えていなかっただけのことだ。そこで行政からの委託を受けて、ガイダンスを開始した。その結果、多くの自治会から感謝され、外国人に対する日本人側からの見方も大きく変化したそうだ。実際、高齢者と外国人世帯がほとんどという団地もあり、そのようなところの自治会は外国人が盛り上げてくれないと成り立たない。
あくまでも、外国人だけのためではなく、日本人のためだけでもなく、共存共栄に貢献したいというのが愛伝舎の基本姿勢である。


熱気溢れる有宅ガイダンス

ボランティアではなくビジネスとして取り組む

今現在、収益の柱となっているのは行政からの委託事業である。県営住宅や保健所など行政サービスが存在しているところには、必ずと言ってよいほど通訳の必要性が高く存在している。愛伝舎には通訳サービスを通じて、外国人を取り巻くトラブルや問題として、どのようなものがあるかの実例が数多く蓄積されている。これらは行政側にもフィードバックすることで、さらなる改善につながっている。また、このような知識、経験を持ったうえで、通訳を行なっていることが、行政側からの信頼になっている。
最近では、行政だけでなく、広くサービス活動を展開しているが、そうした中で、どうしてもボランティア団体と見られることで、かなり安い値段を提示される場合もあるそうだ。しかし、そのような低すぎる金額では仕事を請けないようにしているとのことだった。そうすることにより、他のソーシャルビジネス、コミュニティビジネスにも低価格化の影響が出ないようにしたいと坂本さんは言う。
外国人比率が高い町は、他にも多く存在する。そのような地域における先進的な取り組み事例として、愛伝舎の活動は注目されている。


団体概要

団体名:特定非営利活動法人 愛伝舎  代表者 坂本 久海子
住 所:三重県鈴鹿市
HPアドレス http://npoaiden.hp.infoseek.co.jp/

経済産業省発行「ソーシャルビジネス55選」引用