中国地域CB/SB推進協議会

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有限会社キュアリンクケア

〜看護職が妊産期の女性とパートナーを支援する〜

有限会社キュアリンクケア(京都府京都市)

子育て支援・高齢者対策等の地域住民の抱える課題に取り組むもの

子育て支援


特徴・ポイント

・価値観・目的を共有するプロフェッショナル(看護専門職)とのネットワーク
・谷口代表の使命実現への強い思いと行動力
・起業家学校や創業準備室など、起業家・経営者のネットワーク

事業概要

看護職による妊産期支援事業を展開している。個人向け事業としては妊娠中から1年間、ご自宅を定期訪問し、「見守り続けるケア」を提供。法人向け事業としては全国展開可能な福利厚生メニューを大手企業と共同で開発中。また、行政に対しても男女共同参画セミナーを提供するなどしている。


妊娠期支援サービス事業概略図

燃え尽きてしまう看護師と笑顔が少ない妊産婦をマッチングできないか

優秀でまじめな看護師ほど燃え尽きてしまう現実を目の当たりにし、病院内看護師として働き続けることに疑問を持った谷口さんは看護師を救える仕事ができないかと考えていた。答えを見つけたくてフルタイムで働きながら、京都起業家学校に通ったり、大学・大学院に進学したりした。その頃、看護師として働く中で、あるいは周囲の妊産婦を見ていて、「妊産婦さんの笑顔が少ない」と感じることがあった。看護師と妊産婦。この2つをマッチングさせて問題解決できないか? 思いを共有する仲間の看護職達とビジネスプランを作り、ビジネスプランコンテストに出場した。数字が入っていない理念で言い切ったプレゼンで、案の定、経営者である審査員の評価は最低だったが、200人いる一般審査員の評価では1位。「みんな困っている。やっぱりやらないといけない」という思いを強くした。
審査員の一人だった分譲マンションの販売会社の社長が、「住民向けサービスとして取り入れたら面白い。やってみないか」と言ってくれた。法人との付き合いになるので、こちらも急遽法人格にしなくてはならなくなった。

相手に合わせた最善のヒューマンサービスを提供する

依頼された仕事はマンションの集会室で半年間かけて妊産期支援を行うというもの。ご希望の方に個人面談を実施したが、自分達が行かなくなっても継続してやれることが必要と考え、住民のゆるやかなネットワークを作ることにした。近所の和風喫茶室の女性オーナーと交渉し、集会室で抹茶を立ててもらい、茶話会を実施した。期待通り住民間の交流が生まれ、妊産期の女性の不安や孤独を和らげる環境作りができた。
次に個人向けのサービスをスタートした。妊産期から毎月1回訪問し、写真を撮り、産後2ヶ月の頃に写真集として取りまとめてプレゼントする。妊産期には独特の心と体のリズムがある。産後2週間目というのは疲れが溜まり、どうしたらいいかわからない、という気持ちがピークに達する。そのタイミングで助産師と谷口さんが訪問し、3時間ほどお母さんと話をする。話をする前とした後の写真を撮っておくがまるで別人のようだという。産後2週間を過ぎるとお母さんはどんどんたくましくなっていくが、産後2ヶ月位でまたちょっとしんどくなる。その時に撮りためた写真をきれいな写真集にして持っていくと、「産んでよかった」となる。写真集は、当初、ただ作りたいと思って作っていたが、自分達の取り組みの効果をビジュアルで確認することができて自分達にとってもプラスになった、と谷口さんは言う。個人向けサービスの価格は介護保険を参考にした。ただ、見せ方が難しい。妊婦のお母様は自分の経験から価値を分かってくれるが、若い当時者にとっては高いと感じられるようだ。価格の出し方は今も試行錯誤中とのこと。

次に谷口さんは法人にアプローチした。カフェテリアプランに組み込んでもらおうと考えたのだ。しかし、「個人向けサービスを何人分」となると予算が取りにくいといわれた。それならば「企業向けの妊産期サービスを一緒に作りましょう」ということになった。これは何が何でも新聞記事にしたいと谷口さんは思った。それも経済欄に出す。ありとあらゆるコネを使い、望んだ通りの経済欄に記事にしてもらい、大きな反響を得た。
京都には福利厚生会社のネットワークがある。谷口さんも最終的にはそのネットワークに入り込みたいと考えている。谷口さんは韓国の産後ケア事情にも詳しい。あるビジネス誌に掲載された韓国の産後ケア院の記事を読んで、韓国の最大手の産後ケア院を見学に行ったのだ。谷口さんの頭の中では、常駐型の妊産婦ケアというビジネスモデルが描かれているのかもしれない。
「看護職が妊産期の女性とパートナーを支援する」というビジネスモデル。「これが認められなければこの世に未練はない。ただし、自分の思いをぶつけるだけでは世の中から認知されないので、相手を見ながら、相手に合わせた最善のヒューマンサービスを提供する方法を工夫していく」と谷口さんは言う。


小さな写真集

事業者からのメッセージ

営利だけど暴利ではない。企業だけど理念は社会貢献。NPOではなくあえて営利会社という立場をとったのは、将来、社会責任投資ファンドに組み込まれるような企業になることが目標だからです。そんな会社がひとつくらい日本にあってもいいかと思います。

団体概要

団体名:有限会社 キュアリンクケア 創業者・代表 谷口 知子
住 所:京都市下京区
HPアドレス http://culica.jp

経済産業省発行「ソーシャルビジネス55選」引用