中国地域CB/SB推進協議会

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株式会社チャイルドハート

〜安心、安全、情報開示で質の高い保育サービスを提供〜

株式会社チャイルドハート(兵庫県神戸市)
子育て支援・高齢者対策等の地域住民の抱える課題に取り組むもの
子育て支援


特徴・ポイント

・「安心、安全、情報開示」という理念の明確さと一貫性
・ベンチャー精神溢れる決断(リスクテイク)と慎重さのバランス感覚
・外部ブレーンや地域経済人、行政とのネットワークの活用

事業概要

乳幼児保育を事業の中核とし、子育て支援サービスや保育コンサルティングも展開している。保育事業としては、舞子園、加古川園を初めとする保育サロンの運営、企業内・病院内保育園の運営委託、プリスクールの運営を行う。創業以来、一貫して「お子様の安心、安全と、保護者様への情報開示」に取り組み、現在に至る。

安心、安全、情報開示」をキーワードに「保育の見える化」を

幼児教室を主宰していた木田さんは、働くお母さんとお家にいるお母さんの双方を支援するため保育園を作ろうと決意した。2000年のことだ。木田さん自身、下のお子さんは1歳半から預けて仕事をしていた。迎えに行ったら泣いている。生活に困っていたわけではなかったので自分を責めた。この子が走り回っている姿を見られたらどんなに安心するだろう。当時叫ばれていた認可外保育園の質の低下も、園長による子供の虐待も「密室」が原因だと思った。木田さんが保育園に求めるのは、「安心、安全、情報開示」。これは今もチャイルドハートの基本思想だと木田さんはいう。また、お家にいるお母さんの支援という点にも顧客ニーズを掴み取る木田さんのセンスが現れている。外で働いていないと日本では子供を預ける環境がない。子供と家にいるお母さんにとって、ちょっと子育てから離れるのはとてもいいこと。そこで月30時間1万円(当時)というサービスを考えた。お母さん達が預けやすいよう「教育」という付加価値を付けたメニューにした。これなら、お稽古事感覚で預けられるため、お母さん方も周囲の目を気にする必要がない。


チャイルドハートの強み

私はベンチャー。リスクは負います

「安全、安心、情報開示」に基づく「保育の見える化」を木田さんどうやって実行したのだろうか? 木田さんは「Webカメラ」を考えた。お子さんが小学生の時、テレビ番組で見かけて教えてくれたのだ。それから、会う人会う人に、Webカメラのことを話していたら、メーカー勤務の友人が、製造工程を監視カメラで映している、それが流用できるのではと言ってきた。同時期、そのメーカー側も保育園での使用を考え、社内の電子掲示板でモニターの園を探していた。友人を介して会社の方に会い、すぐに話がまとまった。舞子園の開園と同時に導入した。今までにないものなので弁護士に相談したところ、すごく叱られたという。データが外に出たら問題。木田さんだけでなくメーカーにも責任が及ぶと言われた。「わかりました。私はベンチャー。リスクは負います。ただ、従業員もいるのでリスクに対して守る術を教えて下さい」。母、働く現場(保育士)、園児、経営者、いずれの視点で考えてみても、Webカメラは負うべきリスクだった。保育士も人間なので気を抜く。しかし、我々は命を預かっている。カメラがあることによって保育の質は上がる。木田さんが設置した後、他の園も一気に付けた。「私が付ける事によってトライする園が増えたのはいいこと」と木田さんは言う。


保育の見える化−ガラス張りの室内

園長が帰ってくるたびにすることが増える


保育の質を落とさないために、保育士の数と意識には気を配っている、と木田さんは言う。保育士チェック表を作り、自己評価してコメントを書いたものを提出させる。それを木田さんがチェックして返却。面談も頻繁に実施する。6園の園長会議は月1回。チャイルドハートは現場の先生達が皆で作っているという意識を持ってもらう。ある園の保育士が「園長が帰ってくるたびにすることが増えていやや」と冗談めかして言ったそうだ。「その度に保育の質が上がっているということ。今度はその子を連れて来て」と園長に言っておいたという。園長会議では、各人が自分達の工夫を披露し合って共有し、よりよい方法をチャイルドハートのマニュアルに加える。例えば、睡眠時の呼吸チェックは15分おきだが、忘れる。ある園長の案でタイマーを付けることになった。また、乳幼児突然死症候群は、そういう状態になったときに覚醒することが大事。だから、呼吸チェックのときは見るだけでなく、そっと触る、ということにした。
事業を拡大する気はないと木田さんは言う。せいぜいあと5園。私の目に見える範囲。今の質を低下させたくないからだ。ベンチャーはハコを持つとお金がかかる。ハコは舞子と加古川だけ。あとは運営委託でいい。そこには、WebカメラやICタグを導入したときのまま、理念を実現するためにリスクを恐れず果敢に挑戦する経営者の姿があった。

団体概要

団体名:株式会社チャイルドハート 代表取締役 木田 聖子
住 所:兵庫県神戸市
HPアドレス http://www.child-heart.com
経済産業省発行「ソーシャルビジネス55選」引用