中国地域CB/SB推進協議会

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特定非営利活動法人ジェイシーアイ・テレワーカーズ・ネットワーク

〜時間と場所の制約を超えたワーキングスタイルを

特定非営利活動法人ジェイシーアイ・テレワーカーズ・ネットワーク(徳島県鳴門市)

子育て支援・高齢者対策等の地域住民の抱える課題に取り組むもの

障害者や高齢者、ホームレス自立支援


特徴・ポイント

・障がい者による障がい者のための障がい者への教育という拡大再生産の仕組み
・行政に依存しない収益構造
・自らの強みを活用できる「アクセシビリティ」技術への注力


事業概要

チャレンジド(社会参加と就業に強い意欲を持ちながら、社会生活・職業生活の中で弱者の立場を強いられている人達)が、それぞれの持つ障害特性に応じた「生きる力」と「働く力」を習得することで「時間と場所」の制約から解放されたワーキングスタイル・ライフスタイルを創出・実現するために、ICT(※)利活用技術を基盤とした新しい就業形態の創出を多角的に推進。現在約240名の会員を保持し、二千三百万円の売上をあげている。※情報・通信に関する技術の総称


職業生活を通じた自己実現を

長年高等学校の教員として勤務していた猪子氏が退職の翌日に設立。生活のためではなく、職業生活を通して自己実現を果たせるような場作りを目指し、退職数年前から準備してきた構想を元に、働きたい意欲をもった障がい者によるデジタルファイルの作成から着手する。クライアントからの報酬を作業量と質で分割し、そのうち一定割合を受注元であるJCIにいただく仕組みを構築する。また、公平性を確保するためにJCIに来た仕事を会員用サイトに全て公開し、働く人間が自分の意思で選ぶ形をとっている。


JCIの事業モデルと目指すもの

教育の拡大再生産の確立

平成12年に時間と場所に制約されない働き方を障がい者にというコンセプトが、地方新聞に特集され、大きな反響を呼ぶ。行政からも与える福祉でなく、自立のための福祉に方向転換したいという申し出を受け、一気に事業が拡大する。全県の障がい者にICTのスキルを学習してもらい、テレワーカーの集団を作りあげる取組みを始めた。全県に拠点を作り上げ、LANの構築をはじめ様々な障害特性を持った障がい者がくることを考え、入出力装置やスクリーンリーダーといったソフトウェアを準備した。また、障害特性に応じたコースを作り、聴覚・身体障害・知的障害・視覚障害と分け、一部は外部に委託したものの全てをカバーした。1年目は、健常者から障がい者への教育であったが、二年目以降は徐々に障がい者から障がい者への教育が実現する。10年経った今、行政から受注する講師の仕事の8割を障がい者が実施することができている。


行政に依存しない収益構造を

自立した団体であることを維持するために、他人資本に依存したり、行政からの仕事だけに依存しない事を大事にしている。団体として受注した仕事の30%を事務局に納付してもらう仕組みに加え、地元の自動販売機メーカーによる特定の自動販売機をチャリティ自動販売機と決めていただき、そのうち一定割合を無条件で寄付してもらう・・なども実施している。また事業基盤を安定させるため、確実にリピートをとっていく意識を植え付けている。障がい者だからということで最初の仕事をくれることは実際あるようだが、そこから如何にリピートに繋げることが出来るかが本当の力量が問われるということを強く意識し、定期刊行物などを着実に獲得していく努力を積み上げている。


アクセシビリティの仕事を通じた自己実現と新たな売上確保

Webのアクセシビリティの仕事は、Webページの格差是正であり、障がい者だからこそ、感じる格差の是正を自らの手で実施できる、やりがいがある仕事であり、診断・評価・修正・更新といった作業は、障がい者のテレワークとしてもっとも相応しいという考えの元、アクセシビリティの技術者の育成やアクセシビリティ協会への参加などを手がけてきた。今後は、この動きを加速させ、アクセシビリティの技術ライセンスを付与するような段階まで進めば、作業報酬のレートも固まり仕事としても安定的に供給できる段階を目指している。


障がい者による経営体を目指して

知的障がい者の方でてんかんの発作を持っていた人が、JCIに来て3年間働いた結果、てんかんの部分が修復されているというような現象があり、お医者さんも驚いたそうだ。科学的な証明はされていないが、自分から勉強して仕事に繋げる、自分が成長する、そういったことがよいように働いた結果だろうとのこと。現在JCIは部門ごとに独立採算とし、今後はより経営的な側面も障がい者自身の手に開放していく体制となる。障がい者による障がい者のための自己実現の場を今後も目指し続ける。


職場風景

事業者からのメッセージ

「互いの個性と人格と生き方を尊重し合い,共存・共栄する社会」こそが,人間社会の真の在り様であり「働くことを通して自己実現を図り,社会に貢献すること」が,すべての人の権利であり義務であるとの強い思いから,本事業を創設しました。
「障害」は,障害者を取り巻く社会環境のあり方から生まれるものであり,社会的資源とシステムを,障害者が自由に利用できる状況が実現すれば,「障害者」と「健常者」を区切る「仕切り」も「敷居」も撤去されるはずです。
「得手」を活かした「分業・協業」によるチームプレイで「誇り」を持って取り組めるしごとを作り出し,「私は,重度の移動障害者だから,職場に出向かなくても良い」と考える「逆転・反転」の発想で「生き方」の意識改革を目指しています。



団体概要

団体名:特定非営利活動法人ジェイシーアイ・テレワーカーズ・ネットワーク 理事長 猪子 和幸
住 所:徳島県鳴門市
HPアドレス http://www.jci-tn.jp/

経済産業省発行「ソーシャルビジネス55選」引用