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特定非営利活動法人楽しいモグラクラブ

〜引きこもりの人たちが集う場を提供し、
社会と結び自立への道を拓く〜

特定非営利活動法人楽しいモグラクラブ(北海道札幌市)

環境・健康・就労等の分野で社会の仕組みづくりに貢献するもの

教育・人材育成


特徴・ポイント

・競争労働と福祉の中間にある中間労働のコンセプトを実現
・不登校、ひきこもりの人たちの状態を理解し、彼らにあった働き方(自宅でも就労可能なIT関連の仕事)と場の提供(モグラクラブ)
・働いている場を見せることにより、各人が自分のペースに合った就労化を支援

事業概要

不登校、引きこもりの人たちが集える喫茶店から運営を始め、現在、itkaiを持っている。itkaiは企業からのホームページ作成請負など、IT技術をてこに外部からの仕事を獲得し自立運営を目指している。


モグラクラブの位置づけ

契機

モグラクラブは不登校、引きこもりの人達が集まる喫茶店を行っている。元々、平田さんの二つの思いである、自分で喫茶店のような仕事を行いたいという思いと、不登校や引きこもりの人が集まる場所を作りたいという思いから2001年の10月に喫茶店の開業をした。
喫茶店を開業したものの、はじめの二年間は顧客がほとんど来ない状態であった。その間に不登校の人たちのことを理解するために、心理学などの本を1日数冊読みつづけ、フォーラムなどにも参加をし、人的関係を広げながら勉強をしていった。
そのうちに徐々に人が集まるようになってきた。その中に、IT技術に長けた人がおり、その人にモグラクラブのホームページを作ってもらった。そのホームページの中に設置をしたブログが人気となり、口コミでファンが増えていき、その結果、喫茶店に出入りする人も増えていった。


新しいモグラクラブについて

itkaiへの発展

そのようにして集まる人の中にIT好きな人が多かった。平田さん自身もITには詳しくなかったため、彼らにお願いしITの指導を行ってもらうようになった。
これをきっかけに、従来の支援者と被支援者という関係を変えていった。一方的な関係でなく、お互いが時と場合により支援し支援される関係がモグラクラブという団体であると組織コンセプトを固めていった。
そして彼らのITのスキルを活かし、自立させることができるのではないかと考え取り組みを開始した。
まず、世の中に通用するためには、まずメンバーがプロになる必要がある。そこで、諸団体からの助成金をもらい、メンバーを学校に行かせることにした。その際に、「助成金をとるので、行ってみない?」「好きなことで仕事を作らない?」と持ちかけ、彼らのやる気を引き出しながら、世の中との接点を探った。


中間労働というコンセプト

ただし、不登校や引きこもりの人にスキルをつけても、「働き方」を工夫しなければ彼らが働き続けることはできないだろうと考えた。
その問題に悩んでいるときに、「中間労働」という概念があることを知った。中間労働とは競争労働と福祉の間の概念。相互扶助をしながら、お客様には迷惑をかけず、自分たちのペースで仕事をするという働き方のコンセプトを実現しようと考えた。
まずは、itkaiの人たちでこの働き方のコンセプトを作り、広げていこうと考えた。

仕事のきっかけ

そうした折、itkaiのメンバーの一人がSNSの会話がきっかけで、九州のとある大学の先生と知り合い、防災ソフトの作成を依頼された。これをきっかけにし、中間労働の働き方を確立しようと思った。
その際に押さえるべきは、仕事の納期、品質であると平田さんは考えた。中間労働だから品質が悪いというのは絶対にいけないと考え、納品期日などを厳格に守らせることをメンバーに徹底していった。
その一方で、中間労働としてメンバー間の助け合いを奨励した。
働き方の工夫としては、普段は自宅で作業を行わせた。就労パターンを普通の会社と逆にし、自宅で働いてモグラで休むパターンを定着させていった。
対人関係を維持するためにもモグラにくること自体が必要と感じていたので、週に一回はくることを奨励し、対人関係に慣れさせていった。

モグラ組織運営の工夫

モグラにくると他の仕事の様子が見える、このことによって、「仕事とはどういうものか」を学んでもらう場を提供している。
仕事をしてゆく上での第一ステップとして、自主的に参加ができるということが大切と考えている。よって、今は喫茶店運営も20、30代の人たちに自主的に任せる形をとっている。
この根底には、「自主」というのがとても大事であるという考えがある。不登校、引きこもりの人は、こうだからこうしなさいといわれ続けてきたひとたちであり、自主を尊重されなかったという点が問題を引き起こしている原因の一つと考えているためである。よって、自分で意思決定をする、させることが必要であると考え、それをモグラクラブでは実践している。加えて、いいこと、いい成果を残した際には、親以外のひとからのほめ言葉がとても大切と考えている。モグラクラブでは小さなことでも皆でほめることを徹底して行っている。
その一方で、暴力をふるいそうなケースなどの問題行動に対しては、断固とした姿勢をとっている。

事業展開について

今後の事業展開については、二つの方向で考えている。一つは、現在のitkaiの事業活動を広げるという方向性である。これについては、認知度の向上が必要と考え、代表自らが営業をするほかに、メディアを積極的に活用している。
メディアの活用方法としては、講演会等で知り合った記者をリスト化し、どの記者がどのような話題や記事に関心を持っているのかを把握し、書いてもらいたい記事やアピールしたい対象ごとに、記者を意識的に使いわけを行っている。また代表自らを「商品」と考え、メディアへの露出度を高めるようにもしている。更に週三回のメルマガを出すことにより、一度名刺を交換した相手との関係維持を行っている。
他方、新規事業の展開については、IT以外にも中間労働という新しい働き方を構築しようと考えている。例えば、印鑑の作成、これも自宅できるため、事業として構築に取り組んでいる。今後、中間労働の種類を増やしていくことで、より幅広い人たちを参加させることができるのではと考えている。


団体概要

団体名:特定非営利活動法人 楽しいモグラクラブ 代表者 平田眞弓
住 所:北海道札幌市
HPアドレス http://mog.la/

経済産業省発行「ソーシャルビジネス55選」引用