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特定非営利活動法人「育て上げ」ネット

〜「社会を良くすることで働く」
という働き方を次世代に〜

特定非営利活動法人「育て上げ」ネット(東京都立川市)

環境・健康・就労等の分野で社会の仕組みづくりに貢献するもの

教育・人材育成


特徴・ポイント

・「社会を良くする職業」を社会的・経済的に確立させようとする志
・大手企業や行政が乗れる仕組を企画提案し、納得させるコミュニケーション力
・支援現場のノウハウを政策に反映させるための積極的な提言活動


事業概要

コミュニケーションが苦手、働く事が不安、やりたい事が見つからないといった「働けない」若者とその保護者・関係者に対して、「経済的自立」と「社会参加」を目標に「若年者就労基礎訓練プログラム」(ジョブトレ)を中心とした包括的な支援を実施。民間金融機関と協働で「ニート予防のための金銭基礎教育プログラム」(MoneyConnection®)を実施する等、企業のCSRとの連携にも取り組む。


支援したい人達が安心して支援活動に従事し、安定的な人生を送るために

「育て上げ」ネットの理念と設立の動機を工藤さんは明確に分けて説明した。理念は、若者が自分らしい生き方/働き方を見つけ、自立していくための支援の提供である。そして、「支援したい人たち」が安心して支援活動に従事し、自分の家庭もしっかり持てるような事業体を作りたい、というのが設立の動機。「厳しい環境にある人を支援している人たちの生活が不安定なのはおかしい」と感じていたからだ。米国に留学していた時のこと。欧州からの留学生が「金融ビッグバンで日本も高齢者のリストラがすごいだろう?」と話しかけてきた。経済がある程度成熟してきたら、ある段階で中高年のリストラが起こり、若者が社会から排除される。支援の必要性がそこに生まれると言う。工藤さんはイギリスとドイツに行ってみた。移民、ニート、フリーター。社会全体が支援の必要性を認識し、政府や企業が莫大な予算を出している。「これがチャンスであれば、一番人手がかかって大変な仕事なのに、いや、だからこそ、しっかり給料がもらえて安定的な人生が送れるだけの事業体を作ることができるのではないか」と工藤さんは考えた。


ジョブトレのビジネスモデル

内閣府の委員会に入り、現場でのノウハウを社会に落とす場を得る

「25歳で内閣府の委員会に入り、以後、6年間様々な地方自治体等に呼んでいただいたことが組織の転機になった」と工藤さんは言う。ニートやひきこもり状況にある人達に何をしたらいいのかという議論の中で、「現場ではこうです」と言う。委員会の提言がダイレクトに政策活動に反映され、現場でのノウハウを社会に落とすことが出来た。今も委員への招聘があれば積極的に応じ、「保護者支援の重要性」や「若者を支援する支援者の支援になる政策」といった発言を続けている。残念ながら同世代の委員と会ったことはほとんどない。「若者に関する問題を若者目線で発言できる委員数が全体の3割位になれば」と工藤さんは願っている。

3年前から高校と連携をした教育支援を始めた。ニートの若者と話をしていて教育段階で何らかのつまずきがあることを知ったからだ。ただ、学校に予算はない。雇用・労働・社会的排除の観点から高校生に教育できるのは自分達だけ。しかし、ボランティアでは出来ない。企業と連携し、人・知恵・お金を出していただく仕組を作った。その一例が「ニート予防のための金銭基礎教育プログラム(MoneyConnection®)」。生きてくためにはお金が必要。それを稼ぐための働き方も知る必要がある。「セーフティーネット的教育をやりたいと思った」と言う。1ヶ月の生活費はいくらかかるか、フリーターと正社員の違い、等々、自立していくために知っておくべき"常識"を学ぶプログラムを民間金融機関と共同で開発した。現場ならではのノウハウは「育て上げ」ネットが提供する。現在、全国130校程の高校に無料で授業に行っている。200校位に増やしたいと工藤さんは言う。


繁忙期の農業支援

「社会を良くすることで働く」という働き方を実現する

工藤さんにはやりた事が3つある。一番目は、「乳児から高齢者までの自立支援システムを包括的に作る」という事。二番目は、「若者支援のノウハウをアジアに広める」という事。欧州で起こったことが日本でも起きた。それが今、韓国、中国で起こっており、日本に助けを求めている。「自分達がやってきたことがアジアの架け橋になるなら、日本を飛び出すことをやってみたい」。最後は、「もうひとつの働き方を作る」。会社に雇われるのでもなく、自分で会社を興すのでもなく、社会を良くすることで働くという働き方。それを次世代に残したい。社員2万人のNPOがあってもいい。
「向こう30年くらいでできるといい」と、工藤さんは言う。


団体概要

団体名:特定非営利活動法人「育て上げ」ネット 理事長 工藤 啓
住 所:東京都立川市
HPアドレス http://www.sodateage.net/

経済産業省発行「ソーシャルビジネス55選」引用