中国地域CB/SB推進協議会

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株式会社にんじん

〜規格外野菜にひかりを〜

株式会社にんじん(愛知県小牧市)

環境・健康・就労等の分野で社会の仕組みづくりに貢献するもの

その他(食の安全)


特徴・ポイント

・捨てられてしまう規格外野菜を有効活用
・生産者と消費者を直接つなぐ活動の実践
・安定的に安心できる野菜を供給できる生産者の開拓

事業概要

農薬不使用、特別栽培の農産物を、規格外野菜と区別することなく、直接生産者から契約した野菜は全量仕入れ、それを会員に宅配便で送るサービスを展開。生産者と消費者を直接つなぐことによって、食の安全と安心を届ける。91年に、「中部リサイクル運動市民の会」から、株式会社として独立し今は2600人の会員を持ち、収入は4億円。野菜や果物の宅配だけでなく、生産者を訪問するツアーなども企画する。


生産者から消費者への流れ

事業の開始は一通の手紙から

もともとは、中部リサイクル運動市民の会として、家庭用品のリサイクル活動やフリーマーケットに取り組んでいた。そこに、岐阜県東白川村から一通の相談の手紙が送られてきた。「取引先が急に終了し、出す先がなくなってしまい困っている。見栄え関係なく規格外の野菜を捨てないで出荷したいが、そのようなものを引き受けてくれる消費者はいるだろうか?」というものだった。食生活についても循環型社会のしくみとして取り組むべきだと、当時のスタッフは考えていたそうだ。それで、規格外の野菜を届けてほしい人がいるかどうかを募集したら、すぐに50名くらいが集まった。これがにんじんCLUBの始まりである。また宅配については、ちょうど、当時多くの業者が宅配便を始めたときで、業者は「どこまで荷物を集配に行けるか」を競争していた。地元の業者に相談し、その競争に乗っかって、生産者のところまで集配に行ってもらい、そのまま消費者に届けてもらうことを依頼したら、OKだった。


生産者と消費者をつなぐために

このように、事業の形そのものはすぐにできあがった。ところが、生産者と消費者をつなぐのは意外と大変だった。生産者側から見るとOKだと思える規格外の野菜も、都会の消費者にとっては「見たことがない野菜」と思えるもので、クレームになることも。太く育ったゴボウを送ったら、「薪が入っていた」とクレームを言ってきた会員もいた。
生産者が季節を感じてもらおうと早咲きの梅の枝を1本入れておいたら、「棒が入っていた」とゴミ扱いされた。生産者の方々は、むしろ喜んでもらおうと思っているのだが、都会の人達には、それが通じない場合がある。このような両者のギャップを埋めるために、毎週発行している新聞に、届けた作物の説明や次に届く作物についての情報を入れて提供するようにした。また、生産者のところを会員とスタッフが訪問して、一緒に味噌を作ったり、野菜や果物を一緒に収穫したり、バーベキューをしたりというイベントも、年に数十回企画している。生産者と消費者の距離をもっと縮めるための取り組みだ。


会員を拡大するには

最初は50人の会員から始まった活動も、既に2600人の会員組織となっている。ここまでの会員を集めるために、一番力を入れたのは新聞チラシだそうだ。チラシには「作付け栽培なので、作況によって値段が上がることはない」ということを謳い、新聞に折り込んでもらうことで拡大してきた。2000年くらいからは新聞チラシの反応が鈍くなり、ネットを中心にした広告活動を行なっているが、知名度を維持するためには、新聞への広告も重要になるそうだ。
また、それだけの会員に野菜や果物を届け続けるために、生産者も500名くらいまで開拓している。全国の天候を見ながら、こちらがだめそうなので、別のところから穴埋めをしよう。この天気だと、来週のホウレンソウはあまり大きくならないだろう。などのノウハウもスタッフには蓄積されていて、これが安定供給へとつながっている。また、規格外と言っても出荷規格はあり、それを確実に守ってくれる生産者だけと契約し、無農薬についても厳しい調査をかけている。食の安全にこだわる生産者とスタッフとのコラボレーションによって、会員からの信頼を得ている。
3年以上続けてくれる会員は4人にひとりだが、やめていく3人を引き止めることよりは、どちらかというと残ってくれるひとりを大切にし、長く農業を支えてくれる消費者を大事にしようということを基本としている。そのためにも地産地消を基本としながら、何かあれば、すぐに生産者のところに、自分達が駆けつけられることをモットーに、安定的に安心できる農作物を届ける体制を維持しつづけている。

宅配される新鮮な野菜と果物

団体概要

団体名:株式会社にんじん  代表者 伊勢戸 由紀
住 所:愛知県小牧市
HPアドレス http://ww-w.ninjinclub.co.jp/

経済産業省発行「ソーシャルビジネス55選」引用