中国地域CB/SB推進協議会

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特定非営利活動法人コーチズ

〜行列のできる体操教室
 高齢者介護予防の処方箋〜

特定非営利活動法人コーチズ(広島県広島市)

環境・健康・就労等の分野で社会の仕組みづくりに貢献するもの

保健・医療・福祉


特徴・ポイント

・行政への提案力(暴走族の更正)
・高齢者誰もが楽しんで参加できる体操プログラムの開発
・提供サービス関連グッズ(ボール)の販売と、体操の資格化による収益源の確保

事業概要

グループ会社製造のボールを使った高齢者の介護予防のための体操(ガンバルーン体操)教室の開催。ならびに、ガンバルーン体操の講師含めた様々な独自資格の研修や普及活動を展開している。体操講師として元暴走族の少年を起用したことでも有名。


コーチズの事業モデル

何か社会のためにしたかった

児玉氏は、アパレル出身。退職後何か社会のためにしたいという想いから、健康に注目する。偶然出会った体育教師達からこの団体をNPOにしてほしいという依頼を受け、子供達のスポーツ支援をするNPOを2000年に立ち上げる。しかし全く事業化できず失敗。その時、NHKで偶然、お年寄りの体操教室を見て、お年よりの健康ニーズがあるのではないかと考える。さらに製薬卸会社のオーナーが、行政から「薬ばかりもってこず、病気にならないような健康的な提案がしてほしい」と言われ困っていた。そこで、このオーナーと一緒に高齢者の介護予防のための体操教室を開いて、地域の高齢者を元気にするプログラムを提案し、事業を開始する。


広島県が抱える最大の問題を解決

初年度は、3箇所、2年目は、57箇所、3年目には247箇所での体操教室を実施。3年目に大きな転機があった。「青少年ケア・サポート事業」を受託し、元暴走族の少年達が、体操教室の講師となり、更正していったのだ。当時、広島には暴走族追放条例が出来て取締りが激化した状況であった。これは一定の捕獲成果をあげたが、少年法に守られているので再犯することが多く根本的な問題解決になっていなかった。行政に出入りする中で、暴走族という言葉を頻繁に聞き、なんとかしたいと考えた。暴走族といっても縦社会の中で生きており、先輩の命令には絶対服従。裏返せば周囲への気配りや情報感度は高い人達の集まりであるはずだ。彼らの長所を活かしてあげる形での仕事を我々は提供できるのではないかと考える。立ち上げ当初は受け入れ側の施設も大反対で、苦労をしたが県の協力もあり、徐々に現場が増えていった。最初は少年達は時間は守らない、ズボンはずれている、靴もふみつけ・・という感じで大変だった。しかし、実際現場でお年寄りに体操を教える中で、彼らの長所が生きてきた。人に対する感覚が鋭く、あの人は機嫌が悪い、あの人は嬉しそうだといった点や、体操する中での危ない場面をすぐ察知する。そういった彼らの長所を見つけては認知し、「それが君達しかできない仕事なんだ」と伝える。さらに3年B組きんぱち先生のソーラン節ロック版ダンスを高齢者に披露。これは大変好評で、高齢者が自分達も踊りたいと言って来た。そこで彼らにプログラムを考えてもらい、座って踊る「座ソーラン」というものを開発。こういった取り組みの成果、平均6ヶ月雇用で3年間事業を実施し大盛況の後に終了した。

顧客に求められるものを:ボールとの出会い

肝心の体操のほうも徐々に進化。当初は通常の体操だったものだが、ゴムボールを使った体操(ガンバルーン体操)に転換したことで、ボール販売も増加し、収益も伸びた。空気を多少抜いてあまりはねないようにしたゴムボール。これだけのことであるが、これによって体操教室の盛り上がりが向上した。これまでは半身麻痺や車椅子の人といった何らかの障害を持ったお年寄りは運動に参加できなかったが、空気を抜いたゴムボールであれば掴めるし、落としても転がっていかない。全員参加型の体操教室が実施できるようになった。さらにボールを使って如何に遊ぶかということに注力。遊びの中に、安全な範囲でストレッチをしたり、膝をのばしたり、骨盤を安定させるといった要素をもぐりこませることで、結果、高齢者の介護予防に大きく貢献した。


ガンバルーン体操の教育風景

ボール販売と資格化

成果が出るに連れ、ボールを売ってほしいというニーズがでてきた。当初はボールメーカーに製造を依頼したが「高齢者がボールを買うなんて、我々のマーケティングデータにはない」と言われたので、実際に担当者を体操教室に連れて行き、ボールがほしいという声を聞かせることで製造をお願いすることに成功する。最終的には微妙なスペック変更に臨機応変に対応するために、中国で工場を探し、自主製造販売に切り替え、現在このボール販売事業は別会社にしている。ボール販売による収益だけでなく、徐々に講師を育成してほしいというニーズがでてきたので、講師育成講座を開設。高齢者の介護予防運動指導士という民間資格を作り普及させている。全国各地の卒業生は1500名に達し、講師育成講座も大きな収入源となっている。広島市内の高齢者人口20万人を考えるとまだまだマーケットは大きく、今後も拡大ならびに指導者の育成を続けていく予定。

団体概要

団体名:特定非営利活動法人 コーチズ 代表者 児玉 宏
住 所:広島県広島市
HPアドレス http://www.npo-coaches.org/

経済産業省発行「ソーシャルビジネス55選」引用